大統領選の行方は?―支持拡大に必死の両候補―
米大統領選の投票日まで後3週間あまり。2回の直接討論会を終え、支持率はほぼ互角である。こうした状況下、特定の層の投票傾向を各紙は分析した。
International Herald Tribuneの報道姿勢―ヒスパニック票に着目―
年々増加し、今では人工の12%以上を占めるヒスパニック票に着目した。2008年の大統領選時にはオバマ氏が67%、マケイン氏が31%の支持を得ていたが、今回はオバマ氏が69%、ロムニー氏が21%で、ロムニー氏(共和党)が苦戦している。ヒスパニック層のことをどちらが気にかけているかという世論調査でも、民主党が61%、共和党が10%という過去最大の差がついた。こうした中、ロムニー氏は以前移民に厳しい立場を取っていたが、態度を軟化せている。ただ専門家は、趨勢を変えることはできないとみている。
The Wall Street Journalの報道姿勢―女性票に着目―
調査によると、投票に当たり女性が重視する問題は中絶問題が一位、雇用問題が二位であった。一方男性は雇用が一位となっている。現在の女性票の支持率は、ほとんどの調査でオバマ候補が有利となっているが、最近はその傾向が弱まっている。ただ、両候補とも、女性票獲得に向け本気で動いていないのではと分析した、
実際、第二回討論会では中絶の問題はほとんど扱われなかった。雇用については、ロムニー氏が、経済停滞のために女性の雇用機会を減らすことになったとオバマ氏を批判した。一方オバマ氏は、ロムニー氏が「女性だらけのバインダー」と間違って発言したことを指摘し、女性の雇用に関心が薄いのではと批判した。
Financial Timesの報道姿勢―大統領選よりも「財政の崖」問題が重要―
対策を講じない限り、2013年1月1日から、大型減税の失効と強制歳出削減により「財政の崖」と呼ばれる急速な景気悪化が懸念されると指摘した。大統領選を前にし放置されているこの問題の深刻さを指摘し、経営者らが両党に協力して問題解決にあたるよう圧力をかけている現状を報じた。