“日本の食品、大丈夫か?” 冷凍食品の農薬問題で海外から懸念の声も
マルハニチロホールディングスのグループ会社アクリフーズの群馬工場で製造された冷凍食品から、農薬「マラチオン」が検出された問題で、MSNは8日、900人以上が下痢や嘔吐などの症状を訴えたと報道した。被害の訴えは全国から相次ぎ、現在も商品の回収作業が続けられている。
【未だ原因不明】
チャンネル・ニュース・アジアは、製造時期は昨年の10月、11月と報じた。警察の調べによると、工場内で混入した可能性が高いようだ。
ブルームバーグ・ビジネスウィークによると、マラチオンは製造過程で使用されておらず、製造後、故意に何者かが混入した可能性があるとのこと。そのため同工場には群馬県警の捜査が入り、責任者数名が取り調べを受けたと報じられている。
また同メディアによると、マルハニチロはピザ、コロッケ等640万個を自主回収予定であり、6日までに23%を回収したと発表した。さらにチャンネル・ニュースアジアによると、マルハニチロが本件で受けた苦情の電話は46万件。
ただ、同社は売上に与える打撃についてはノーコメントを貫き、「原因の解明が先」と強調したとのことである。ブルームバーグ・ビジネスウィークの伝えるところでは、自主回収後マルハニチロのシェアは4.8%下落したという。
【日本産食品は安全?世界からの視点】
ブルームバーグ・ビジネスウィークによると、コロッケから検出されたマラチオンの値は許容値の260万倍だという。厚生労働省は、高濃度農薬の接種による健康被害の怖れを警告している、とも伝えている。
またチャンネル・ニュースアジアでは、「Pasco(パスコ)」のブランド名で知られる敷島製パンが、「カルキ臭がする」との苦情を受け、44万5000個の菓子を自主回収した報道にも触れ、日本産食品の安全問題に言及。このような問題が相次いでも、まだ日本産食品は「比較的安全な方」と述べる一方、福島の原発事故以降この国の食品安全は信頼において大打撃を受けている、との見方を示した。
ジャパン・トゥデイのコメント欄には、「食の安全は消費者の一番の関心だからこれはブランドイメージに打撃」、「薬品、放射能、産地情報の欠落、日本でで食品を買うのも地雷をよけて歩くような事態になってきた」「毎年こんな事件がある。もういい加減にしてほしい」等の意見が寄せられている。
なお同メディアによると、マルハニチロは、該当商品の海外への輸出はないと発表しているとのことである。