脳内で8cmの生きた寄生虫が発見された女性 記憶障害とうつ症状を訴えていた

画像はイメージ(Flicker/ -ted

世界で初めて、人間の脳内から8cmの寄生虫が生きた状態で発見されました。

脳内から生きた寄生虫が発見された女性

オーストラリアのキャンベラの病院で記憶障害やうつ症状を訴えていた女性の脳から、生きた線虫が摘出されて話題を呼んでいます。

患者は64歳の女性。2021年1月末に腹痛と下痢、せきや発熱などを訴えて、地元の病院に入院しました。

その数カ月後に記憶障害とうつの症状が出て、キャンベラの病院に送られ、MRI検査で脳の右前頭葉に異物が見つかったとのことです。

手術で摘出されたのは、体長8センチの寄生虫でした。さらに検査で、ニシキヘビに寄生する線虫と確認されました。

担当したキャンベラ病院の感染症専門医は「CNN」に、「我々の知る限り、人間を含むほ乳類の脳で見つかったのは初めてだ」と語ったそうです。

研究者らによると、女性はニシキヘビのすむ湖畔に住んでいて、線虫は女性が地元で採った葉物野菜についていたとみられています。

ニシキヘビがふんとともに線虫の卵を排出し、それが野菜や調理器具を介して女性の口に入ったという説が有力とされています。

同専門医によれば、この線虫が人から人へ感染することはないものの、ほかの地域でもヘビから間接的に人間にうつることはあり得るとのこと。

「The New York Times」のX(Twitter)には、その線虫の画像も公開されています。

脳から線虫が見つかった世界初の事態に、SNSではさまざまな意見が書き込まれました。

「なにこれ!怖い!脳から虫?」
「適応進化して住処を広げようとしているのか?恐ろしい!」
「どう入ったのか気になる」

野草を採った時は、食べる前によく洗うよう注意する必要があります。

Text by 川崎 謙三郎