7人が乗っていたケーブルカーのワイヤーが切れ、274mの高さで宙吊りに 16時間かけ決死の救出劇

画像はイメージ(Flicker/ Andy Roberts

山間部に暮らす人たちにとって、通勤や通学は一苦労です。

しかしインフラが整っていない海外では、命懸けで移動しなければならない人も大勢います。

通勤・通学で利用していた7人が乗っていたケーブルカーが宙吊りに

パキスタン北部のバッタグラム地区では、毎日150人の生徒たちが、通学のためにケーブルカーを利用しているそうです。

NEW YORK POST』などによると、2023年8月22日の朝7時頃、10~16歳の生徒7人と教師1人を乗せたケーブルカーのワイヤーが、渓谷のど真ん中で突然切れてしまいました。

274mの高さでケーブルカーは宙づりになり、誰もが無事を祈るなか、レスキュー隊が到着。

当時、現場では風の強さが懸念されましたが、軍の特殊部隊がヘリコプターで救出を試みました。

途中、日が落ち暗くなったうえ強風が吹き荒れてしまい、活動は一時中断されるも、最終的に16時間をかけ、全員を救出することに成功しました。

生徒たちとその保護者は、再会の瞬間に泣き崩れたといいます。

救出の映像からは、生徒に装着したハーネスのロープを、数十人の男性たちが引っ張る様子が映し出されています。

これを受け、アンワール・ウル・ハク・カカール暫定首相は「乗っていた全ての生徒たちが安全に救出されました。軍やレスキュー隊、行政、そして地元の皆さんによる素晴らしいチームワークのおかげです」と声明を発表。

また国内全てのケーブルカーの安全点検を行うよう、当局に指示したことを明かしました。

Text by 春野 なつ