米国立公園で過去最多ペースの死者 猛暑でハイキングのリスク増大
6月以降、記録的な猛暑に見舞われているアメリカで、夏の国立公園でのハイキングを楽しむ人々の間で死傷者が続出している。連日38度を超す灼熱の暑さを体感しようと訪れる観光客が増えるなか、国立公園は注意を呼びかけている。
◆国立・州立公園、猛暑による死者が6月以降7人に
猛暑の影響で、アメリカの国立公園で驚くべきペースで死者が出ている。国立公園管理局の速報データによると、7月23日までに5人の熱中症による死者が出た年は統計を開始した2007年以来初めて。また、6月1日以降、国立公園内で暑さが原因で死亡した疑いのある人の数は、年間の平均よりも多い。国立公園で最も暑さが厳しくなる8月はまだ先だ。(CNN、7/23)
5人の死因については現在調査が行われているが、5人は37.7度以上の高温によって死亡した。灼熱のような暑さは6月以降続いており、全米で最高気温の記録を3000以上更新した。
暑さの疑いで死亡した事案は3つの国立公園で発生している。グランドキャニオン、デスバレー、ビッグベンドだ。2007年以降公園管理局が報告した暑さを原因とする死亡件数は68件に上り、いずれもこの3つの公園で起きている。テキサス州ビッグベンドでは、トレイルを探索中の14歳の少年が約48度の暑さで死亡し、救助を求めに行った31歳の父親も死亡したほか、ハイキング中の65歳の男性が死亡した。また、アリゾナ州グランドキャニオンでもハイキング中に行方不明になった57歳女性が死亡。カリフォルニア州デスバレーでは約47度の炎天下のなか、トイレの外で倒れた71歳の男性が死亡。また、約52度に気温が上昇した日に、車両の中で65歳の男性が死亡しているのが公園管理職員に発見された。(CNN)
これらの国立公園のほか、ネバダ州バレーオブファイヤー州立公園でも7月22日、約46度の炎天下のなか、行方不明になった女性ハイカー2人が死亡しているのが発見された(インデペンデント紙、7/23)。
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