グーグルがマシンアンラーニングのコンペ開催 なぜAIに「忘れさせる」のが重要なのか
グーグルが6月29日、AIのアンラーニングを促進するための初のコンペとなる「マシン・アンラーニング・チャレンジ」を開催することを発表した。この試みは、バイアスやプライバシー侵害といったマシンラーニングのリスクを軽減することにつながるか。
◆マシンラーニングのリスク
そもそもマシンラーニング、つまり機械学習とは、人工知能(AI)の一分野であり、明示的にプログラムされることなく学習する能力をコンピュータに与えるというものだ。つまり、人間の知能や課題解決のやり方を再現するために研究開発が進められてきた。マシンラーニングは、チャットボットや入力予測、翻訳アプリ、ネットフリックスのおすすめ提案、SNSのフィードなど、さまざまなサービスやメディアプラットフォームで幅広く使われている。
一方で、マシンラーニングにはいくつかの課題がある。たとえば、データがサイバー犯罪に悪用されたり、ディープフェイクに使われたりするような課題から、データ・ポイズニング(学習データを攻撃者が改ざんすること)やデータプライバシーの問題まで、さまざまなリスクが指摘されている。プライバシーの課題については、欧州においては、一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)が運用されるなど、規制も動き始めている。
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