シリコンバレーが原発新技術に積極投資 温暖化から地球を救う最善策になる!?
九州電力は7日、鹿児島県の川内原発再稼働に向けて、核燃料の装填を開始した。同社は8月中旬の再稼働で調整している。海外メディアもこの動きを報じている。また原発技術の開発に関し、シリコンバレーで注目すべき動きがあるようだ。
◆福島原発事故後、初の本格再稼働
2011年3月の福島第一原発の事故の後、全国の各原発は定期点検により運転を停止し、現在は一基も稼働していない。川内原発が再稼働すれば、福島の原発事故以後に作られた新しい規制基準に適合した原発では、初の再稼働となる。
だが、核燃料が装填された川内原発の1号機は、2011年5月から4年以上も止まっており、設備や部品の不具合も想定され、手順通りに進めても順調な再開になるかどうかは、不確実のようだ(共同通信)。
◆国民の反対、訴訟問題…再開へのハードル
川内原発の核燃料装填を伝えるロイターも、再稼働までのハードルの高さを指摘している。まず、安倍首相は経済成長に必要として再稼働を進めているものの、国民の大多数は、電気料金が値上げされていても再稼働に反対する意志を示しているとしている。
また、4年間のブランクによる再稼働失敗の可能性や、他原発でも地元住民による再稼働の差し止めを求める訴訟問題などが障壁として立ちはだかっている点を指摘した。
AFPは、川内原発のニュースのなかで、福島県楢葉町の避難指示が解除されたことを伝え、原発事故による影響の大きさを伝える。福島の事故によって何十万人もの人々が避難生活を余儀なくされ、避難指示が解除されても、放射能の影響や医療サービスなどのライフラインの確保に地元住民が苦慮していることを報じている。
◆シリコンバレーで原子力へ投資する動き
一方で、フォーチュン誌は、アメリカの原発技術開発の新しい動きを伝えている。同誌によれば、シリコンバレーが新しい原子力発電の技術開発への支援に意欲を示しているということだ。
FacebookやAirbnb、SpaceXなどを支援したベンチャーキャピタル会社「Founders Fund」やビル・ゲイツ氏などが、核廃棄物を利用する原子力発電の新事業に投資しているという。そのほか、核融合による原子力発電の立ち上げにも投資がなされており、そういった動きはシリコンバレー内外で数十あるようだ。
同時に記事はこういった新事業の問題点も指摘する。原子力発電の技術は商業化までに数十年の時間がかかることもあり、またときに発電所の建設には数十億ドルという莫大な費用もかかる。巨額の投資が必要ながら、投資家へのリターンにいつまでかかるのかは未知数だ、と指摘している。
そして最大の障壁は、規制の問題だとフォーチュン誌は述べる。アメリカの原子力安全関連を監督しているのがアメリカ合衆国原子力規制委員会だが、軍需産業との結び付きが非常に強く、起業家が入り込める余地があるのかどうか疑問を呈した。
それでも、地球温暖化を考えれば、原子力発電が最善の策になり得るのではないかとの見方を示して、フォーチュン誌は締めくくっている。