韓国の“反日の政治利用”に米識者が苦言 他のアジア諸国を見習うべきとも
内閣府の「外交に関する世論調査」で、中国、韓国に「親しみを感じない」人の割合が、1978年の調査開始以来、過去最高を更新した(10月実施、全国の成人男女1801人が回答)。中国には83.1%(前年比2.4ポイント増)。韓国には66.4%(前年比8.4ポイント増)だった。一方、「親しみを感じる」と答えた人は、中国には14.8%(3.3ポイント減)、韓国には31.5%(9.2ポイント減)だった。フォーブス誌(Panos Mourdoukoutas)は、歴史問題で日本批判を強める中韓への反発、領土問題が影響しているとみている。
11月には日中首脳会談が実現したが、日韓首脳会談の目処は立っていない。こうした状況に対し、特に韓国のかたくなな反日姿勢への苦言が、米識者からあがっている。
◆アジア地域におけるアメリカの立場
John Lee氏(米ハドソン研究所シニアフェロー)は、フォーブス誌への寄稿で、韓国は常に歴史問題を政治的手段として利用してきた、と指摘した。
朴槿惠(パク・クネ)大統領は就任時より、明確な要求のないまま、慰安婦問題などで日本の歴史認識を批判し、さらなる関係悪化を招いている。ニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙は、安倍首相の歴史認識を批判する。しかし、アメリカが日本に歩み寄りを求め、韓国の国粋主義的な誇張を助長することは、問題の根本的な解決にならない、と同氏は述べる。
大戦時、日本に苦しめられた国は韓国だけではない。マレーシアやベトナム、オーストラリア、そしてアメリカも同様だ。しかし各国は、戦後日本の国際社会における模範的な姿勢、アジアの繁栄への貢献を支持している。これらの国々の国民のうち約80%が、安倍政権を歓迎しているという(2013年、米ピューリサーチセンター調査)。
韓国が日本の歴史認識問題を政治的に利用することは、自国の為にもならず、正義に基づいた行動ではない、と同氏は述べる。韓国は今後、歴史を政治利用せず将来に暗雲を残さないアジア諸国の姿勢を見習うべきだ。アメリカもこれを後押しすべき。と同氏は主張する。
◆中国の動き
一方、韓国Daejin UniversityのJin Kai准教授は、ディプロマット誌への寄稿で、中国は歴史問題で韓国と共闘し、アメリカに対抗しようとしている、と分析した。アメリカが戦後日本の変化と成長を評価し、東アジア地域における主要同盟国として信頼しているのに対し、中韓はそれぞれの懸念を払しょくできずにいる。
同氏は現況を、東アジアにおけるトーナメントと例える。プレイヤーは中国、米国、韓国、日本だ。中国は状況を利用し、自国の影響力を最大限にすることをもくろむ。オバマ大統領は中国に対し態度を軟化させるが、任期終了後に米国がとる姿勢は明らかでない。同氏は、オバマ後の米国の対中戦略、中国の対米戦略に注目しているようだ。