「スマート箸」で食品の毒を検出? 中国ならではの新商品が海外で話題
食のスキャンダルが絶えない中国で、腐った食べ物を検出するスマート箸「Kuaisou」の試作品が発表された。ウィルスに感染したイチゴから、食用でない顔料で色付けされた肉まで、中国の食のスキャンダルは留まるところを知らない。日本でも最近、マクドナルドとケンタッキーが中国産鶏肉を使用している商品をメニューから外したところだ。そんな中国ならではの商品、と海外メディアは報じている。
【スマート箸「Kuaisou」】
『Tech Times』によると、中国の検索エンジン最大手Baidu(バイドゥ)は10日、ワールドカンファレンスで「Kuaisou」を発表した。「Kuaisou」は、料理油の汚染レベルを調べるセンサーを搭載していて、スマートフォンのアプリに接続して結果をみることができる。
デモンストレーションの動画では、オリーブオイル、一般的な料理油、下水などから作られた再生食用油(地溝油) を入れたコップに、「Kuaisou」を浸している。地溝油に浸けられた箸はマイナスの結果を示した。Baiduのロビン・リーCEOによると、pHレベルや過酸化物、温度などから油の鮮度がわかるという。将来的には水やその他食品の生産国までわかるようになるという。ただし、現時点では「Kuaisou」の発売予定はなく、あくまでも試作段階であるとした。
【中国の食のスキャンダル】
もとはエイプリルフールのジョークだったという。同メディアによると、Baidu代表者は、「商品として販売することは考えていないが、ずいぶん話題を呼んでいる」、「中国の食の安全が揺らいでいる現在、タイミングが良かった」、とコメントした。
2003年にSARSを発見した専門家のZhong Nanshan氏は、昨年中国で生産された地溝油は1400万トンで、内350万トンが食卓に届いていると話した。需要が高く食用油の価格が高騰するなか、レストランが汚染された油を非合法に買いコストを削減しようとすることは珍しくない、と指摘する(『Tech Times』)。
【電子センサー搭載のフォーク】
こうした「スマート」な食器類としては他にも、香港ハピラボが、電子センサーで食事の量と食べる速度をモニターする「Hapifork」を99ドルで発売している。食事にかかった時間、フォークを口に運んだ回数、フォークを口に運ぶ間隔を記録し、速く食べ過ぎると振動してハンドルが光り、警告する。スマートフォンのアプリにワイヤレスで接続し、ユーザーの食習慣を表示する機能もある。
英デイリー・メールによると、「多くの人が、早く食べることで消化や体重管理に悪影響を及ぼすと気付かずに速く食べ過ぎている」と、アンドリュー・カートン社長は指摘する。開発者によると、一般的に満腹感を感じるのは食後20分してからで、それまでの間食べる量を減らすことで、体重を減らす効果が期待できるという。また消化の問題や胃酸の逆流を減らすとしている。
なおこの企画は、クラウドファンディング『Kickstarter』を通して、約13.5万ドル(約1400万円)の資金調達に成功した。
※写真はイメージです。
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