「韓国、2750年には消滅」 日本以上に進む少子高齢化に警鐘 対策に海外注目
韓国の国会立法調査処は、22日、少子化が改善されないなら、「韓国は2750年には消滅する」という見通しを明らかにした。
現在、韓国の人口は5043万人だが、合計特殊出生率(15歳から49歳の女性が一生に産む子どもの平均数)が1.19人のままなら、2056年に4000万人になり、2100年には2000万人へと半減すると予想されている。2200年には300万人まで人口が急減、2256年には100万人になり、その後は500年かけて徐々に消滅していくと予測されている。
【深刻さを増す高齢化問題、高齢者の自殺率が5倍に】
韓国の深刻な少子化は以前から指摘されてきた。テレグラフ紙によると、2006年に英オックスフォード大学のデビッド・コールマン教授が「韓国は世界で初めて、少子化によって消滅する国となるだろう」と予測した。
少子化に伴い、高齢化も加速度を増している。経済協力開発機構(OECD)によると、2012年に韓国の65歳以上の高齢者人口は、15歳から64歳の人口を7分の1上回っていた。しかし、2050年までに、高齢者人口は4分の3上回る、とフィナンシャル・タイムズ(FT)紙は報道している。
高齢者の貧困問題も懸念されている。韓国の高齢人口の49%は国民平均所得の半分以下で暮らしている、と同紙は指摘している。子供が親の世話をするという伝統が廃れ、絶望した高齢者の自殺が急増している。高齢者の自殺率は2011年までの20年間に5倍に増加した。
【教育費負担軽減と公的デイケアサービス】
「韓国が2750年に消滅」という予測には、多くの不確定要素(北朝鮮の問題や朝鮮半島の将来など)や、韓国の移民政策が変更される可能性が考慮されていない、とウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は指摘する。
韓国の出生率が改善する可能性もある。OECDによると、同国の出生率は、低水準だった08年の1.08から近年は回復している。
韓国政府による少子高齢政策が実を結んできたのかもしれない、とFT紙は分析している。その一つが、塾費用の上限設定だ。韓国の世帯収入の10分の1が塾費用に使われており、重い教育費負担が少子化の原因となってきた。また、就任以来、朴槿恵大統領が公的デイケアサービスを大幅に拡充したことも、出生率上昇に貢献しているのかもしれない。
【日本も少子化で3000年に消滅?】
少子高齢化問題は日本も他人事ではない。2012年に東北大学が実施した調査によると、人口減で日本は1000年後に消滅する、とWSJは報道している。人口減少が加速度的に進むという点では、上記の韓国の統計とさほど大きな差はない。
韓国国会立法処の「報告の目的は警鐘を鳴らすことである」とFTは結んでいる。
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