対中国で連携推進か? フィリピン大統領、安倍政権の集団的自衛権行使容認を支持
フィリピンのアキノ大統領は24日、日本で安倍首相と会談した。大統領は、安倍政権が進める集団的自衛権の行使容認を支持した。「厳しさを増す地域情勢に対し、日本とフィリピンは緊密に連携していくことを確認した」と語ったという。
【フィリピンが支持表明した背景】
フィリピンは第2次世界大戦中、日本軍と連合軍との間の戦闘で、多くの犠牲を払った歴史がある。その国がなぜ、日本の集団的自衛権行使容認を支持したのか。背景には、南シナ海・東シナ海で広大な領有権を主張し、実力行使も辞さない中国の台頭がある、と海外メディアはみている。
日本は東シナ海の尖閣諸島、フィリピンは南シナ海のスプラトリー(中国名:南沙)諸島をめぐり、中国との間に緊張が続いている。このような情勢の中、日本では安倍首相が集団的自衛権行使容認を図っている。米国はこの姿勢を歓迎。東南アジア7ヶ国も中国の動きを警戒し、日米の安全保障が強化されることを望んでいるようだ(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)。
同紙によると、アキノ大統領は、「憲法解釈の一部を変更しようとする日本政府の計画には議論もある」と指摘。一方で、「集団的自衛権の分野では、日本政府が他国を支援する権限を持ち、支援を必要とする国のもとに駆けつけることができれば、善良な国に恩恵をもたらすことができると信じている」と述べ、安倍首相を支持したという。
さらに日本はフィリピンに対し、10隻の巡視艇の供与を発表した。
【フィリピン国内の反応】
一方、フィリピン国内では、日本・フィリピン両政府とは異なる姿勢で、安倍首相の集団的自衛権行使容認の考えを紹介している報道もある。フィリピン『rappler』では、日本国憲法第9条と、防衛省の憲法第9条についての見解を詳細に説明、憲法9条の下では集団的自衛権行使は許されないものだと説明している。また、日本国内の調査でも、約55%の国民が集団的自衛権行使には反対している、と報じている。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙でも、集団的自衛権行使容認に向けた日本政府の動きについて、議論を急ぎすぎているとの声も日本国内にあることを紹介している。
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