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W杯日本戦に沸く日系ブラジル人、日本より“母国”ブラジルを応援

  • カテゴリー:国際
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W杯日本戦に沸く日系ブラジル人、日本より“母国”ブラジルを応援

 国外に暮らす日系人・日本人は、およそ300万人と言われている。その半数に当たる約150万人が、サッカー・ワールドカップを開催中のブラジルで暮らす。最初の移民船が渡ってから106年。3世、4世の代になった日系ブラジル人の「今」を、ワールドカップと絡めて複数の海外メディアが報じている。

【日本代表の試合に大声援】
 サンパウロには、ブラジルの日系人の約3分の2が暮らす。アルジャジーラとウガンダ紙『ニュービジョン』は、サンパウロの日本人街で行われた日本対コートジボワール戦のパブリック・ビューイングの様子を報じた。それによれば、200人から300人の日系人が集まったという。
 
 報道によれば、会場はブラジル代表を象徴する黄色と緑、日本を象徴する赤と白の提灯などで飾り付けられ、日本代表の「サムライブルー」に身を包んだ観衆からは「Japao!(ジャパオ=ポルトガル語で日本)」の声援が飛んだ。中には、日本代表のユニホームに、ブラジル代表の黄色いマフラーをしているサポーターの姿もあったという。
 
 パブリック・ビューイングを主催した日本ブラジル協会のアナリア・キタさんは、「日本がワールドカップに出場し、ブラジルに迎えられたことに大きな誇りを感じます」と話す。日本文化センターのクラウディオ・クリタ代表も「サッカーのことを何も知らない老人たちも興奮していますよ。若い世代にとっても、祖先の地を知る良い機会だと思います」と、『ニュービジョン』のインタビューに答えている。

【若い世代に進む“日本離れ”】
 その一方で、若い世代の日系人の間では“日本離れ”も進んでいるようだ。日系ブラジル人コミュニティの研究をしているセリア・サクライさんは、移民開始から100年が過ぎた今、「日系人は完全にブラジル社会に溶け込んでいる」と話す。彼女によれば、日系人とそれ以外の血統を持つ人の結婚は現在、50%を超えており、今後も増え続ける見込みだという(アルジャジーラ)。

 「そうした若者の両親は3世、4世です。もう日本語も話せないし、日本的なものとの繋がりも非常に薄くなっています」とサクライさんは言う。その一方で、漫画、アニメ、俳句、和太鼓、柔道などの日本文化はすっかりブラジル文化の一部になっているという。

AP通信も、日系ブラジル人の現在を追う記事を配信している。その中で、元古河電工ブラジル支社CEO、アンセルモ・ナカタニさん(日系2世)は、「私はブラジル人だ。だが、ブラジル人から見れば日本人。日本人からみれば日本人ではない」と複雑なアイデンティティを語る。

 ナカタニさんはブラジルに渡って大変な苦労を重ねた父から、日本語を学ぶことを強要されたという。日系企業のCEOにまで登り詰めたのは、そんな両親のおかげとも言えそうだ。だが、自身の息子には日本語を学ばせていないという。「ポルトガル語と英語を学びなさいと言っています。もしいつか日本語が必要になったら、その時に日本語学校へでも行けばいいとね」。

【日本と対戦があれば母国・ブラジルを応援】
 AP通信は、6人の日系人にインタビューしているが、いずれも母国はブラジルだと言う。相撲教室を開くウィリアム・タカヒロ・ヒグチさんは、「どちらに愛国心があるかと問われれば、疑念を挟む余地はない」と話す。
 
 一方、ネイティブのブラジル人から見れば、日系人は100年経っても日本人として扱われる現実もあるようだ。サンパウロ地区の元「ミス・オキナワ」、レイス・ミワ・ヒガさんは「人からはいつも、日本人?中国人?と聞かれる」と話し、日本人女性に一種のフェティシズムを抱いているブラジル人男性の視線に「うんざりだわ!」と憤慨する。

 若手の日系アーティスト、ユディ・ラファエル・コイケさんも「ブラジル人は、自分たちのことをあらゆる人種の混血だと言う。アジア系を除いてね。ブラジルの黒人はブラック・ブラジリアン。でも。日系はハポネス(日本人)なんだ」と話す。それでも古い世代を含め、彼らは口を揃える。「ブラジルと日本が対戦したら?ブラジルを応援する。母国だから」。

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(Newsphere編集部)

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