「日本は世界に悪影響」中国で90%、韓国で79%が回答…好評価の世界とギャップ BBC世論調査
英BBC放送が読売新聞などと24ヶ国で共同実施した、世界世論調査の結果が発表された。この調査は、主要国に対する各国国民の評価を問うもの。ある国について「世界に良い影響を与えているか」あるいは「悪い影響を与えているか」を選択する形式となっている。
【気になる日本の評価は?】
今回「良い影響を与えている」国のトップとなったのはドイツ(60%)で、続いてカナダ(57%)、イギリス(56%)となった。
日本が「世界に良い影響を与えている」との回答は49%で、5位。世界で最も日本を高く評価しているのはインドネシアとナイジェリアで、どちらも70%以上の支持が得られた。ブラジルをはじめとする南米各国も、概ね日本を高く評価している。
北米では、アメリカで66%、カナダで58%が日本に良い評価をつけている。ヨーロッパでは国によって少し異なり、イギリスで65%と最も高評価で、続いてフランスで58%、スペインでは昨年より10%アップの46%だった。しかしドイツでの日本の評価はそこまで芳しくないようで、28%にとどまっている。
【アジアで急に毛色が変わる日本への見方】
ヨーロッパ以上に国によって日本の評価が分かれるのが、アジアだ。インドネシアが世界で最も日本への評価が高いのに比べ、世界でもっとも悪い評価をつけているのもまたアジアの国。お隣の中国と韓国だ。
「日本は世界に悪い影響を与えている」との評価を下した割合は中国で実に90%、韓国で79%。両国で「日本は世界に良い影響を与えている」と回答したのは中国でわずか5%、韓国では15%だ。とにかく、この2ヶ国の日本に対する評価が、他国と比べ、異様なほど群を抜いて低いのである。
【日韓の対立解消に米誌が提唱】
隣国の悪感情が際立った結果となったこの調査だが、このような状況に米専門家が警鐘を鳴らしている。フォーブス誌によると、スタンフォード大学のダニエル・スナイダー氏は、とくに日韓の仲違い解消に向け、ふたつの提案をしている。
まずひとつは、日韓の論争解決のための特別大使を米政府が用意することだという。日韓の仲違いはアメリカにとってマイナスの影響しかない。日韓関係は行き詰まり、第三者の介入なしに解決するとも思えない。そこで、クリントン政権時代に北アイルランド特使として和平交渉に努めたジョージ・ミッチェル氏のように、仲裁役として主導的な役目を果たす人物を派遣することをスナイダー氏は提案している。
もうひとつは、日本政府が元慰安婦に対し、ホロコースト被害者への補償と同等の基金を設置することだという。既に民間基金から補償金を支払っており「謝罪疲れ」とも見受けられる日本に取っては受け入れ難いだろうし、慰安婦とナチスの問題を同等にされることへの抵抗も大きいだろうが、ドイツ政府および企業が被害者補償のために設けた基金は国際社会で評価されたとスナイダー氏は述べる。ただしその代わり、韓国側はこれをもって「正式な謝罪として受け止め、これ以上日本に過去のことでとやかく言わない」というのが条件だ。そのためには米政府が韓国に対し外交的に楔を刺す必要があるだろう、と同氏は言う。
この問題は非常に繊細なので、米政府にとって交渉は極めて難しいものとなるだろう、と同氏は語る。日韓はそもそも「同じ側」にいるのだ、ということを両政府に理解してもらうためには、慎重に中立を維持し信頼を保つ必要があるだろう、と指摘している。
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