オバマは朴を救えるか? 沈没事故で支持率低下の中、対日関係などに海外紙注目
アジア歴訪中のオバマ米大統領は、訪日を終え、25日、韓国に到着した。特に北朝鮮問題と対日関係が注目されている。
【金正恩より安倍が嫌いな韓国】
オバマ大統領は訪韓時、北朝鮮対策を中心に協議すると見られている。加えて、ロサンゼルス・タイムズ紙は、同盟仲間である日韓が不仲な点に言及している。
ロサンゼルス紙は、安倍首相は韓国の世論調査において、北朝鮮の金正恩第一書記よりも嫌われていたと報じる。歴史認識問題による対立に加え、竹島問題も緊張要因だ。
調査を実施した峨山政策研究院によると、皮肉にも「おそらく安倍の唯一の救いは、北朝鮮が挑発路線を追求し続けているおかげで、日本のほうがほんのわずかマシ」と見られ得ることだという。
なお中央日報は25日、オバマ大統領への単独書面インタビュー結果を報道。大統領は、「歴史問題による韓日葛藤を解消する案は何か」、「日本軍の慰安婦問題について日本側の誠意ある措置が必要だと見てはいないか」などには答えなかったという。
【フェリー沈没事故で支持率低下】
またフォーブス誌(米外交問題評議会のスコット・シュナイダー氏寄稿)は、「セウォル号」沈没事故への対応で朴槿恵政権が厳しい批判に追われている点を指摘する。同氏は、「韓国という国を1週間以上食いつくし、あらゆるレベルで朴槿恵政権の管理能力に関する罵りの判断を解き放っている」などと表現する。非難は雪だるま式に膨れており、朴槿恵大統領は、船長の過失を「殺人に等しい」と評してみせるなど火消しに躍起だ。
それだけに、オバマ大統領の訪韓は助けになりうるが、米韓両首脳が安全保障の議論を差し置いて「互いに同情するのに時間のほとんどを費やしたとしても、驚くべきことではない」と、皮肉な論調である。なにしろオバマ政権の方も、アジア重視政策が理解されずに苦悩している。「政策の実行を目に見えて主導する、閣僚級の中心人物を欠いている」ためだという。加えてクリミア問題に対しこれといった結果を示せていないことも、アメリカのリーダーシップを疑わせているとのことだ。
【安い攻撃手段を揃える北朝鮮】
北朝鮮はちょうど、25日が「人民革命軍創建日」の祝日である。北朝鮮はここ4週間に約90発のミサイル・ロケットを発射している。ブルームバーグは、オバマ大統領訪韓時にも「大統領の注意を惹く」動きがある可能性を示唆している。3月26日、ハーグで日米韓首脳が会談した際にも、日本全土が射程に入るノドンミサイルが発射された。
専門家らによると、発射された内訳はスカッドミサイル6発、ノドンミサイル2発、それにソウルを射程に含むFROG無誘導対地ロケット70発以上で、スカッドやノドンの売値が100~300万ドルなのに対し、FROGの製造コストは1~2万ドルで済むという。
ブルームバーグは、北朝鮮は2012年、エリート向けのワインや宝石などの贅沢品輸入に6.46億ドルを費やしているほどだし、1995年から2008年まで、アメリカは北朝鮮に13億ドル以上相当の食糧・エネルギー支援を行っている、と指摘する。安価なロケット弾を多数揃えて、充分な見返りを脅し取れるという目算かもしれないわけだ。
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