韓国、ぬか喜び? “竹島の現状を認める” ケリー長官発言、言い間違いだった
アメリカのジョン・ケリー国務長官は13日、米韓相互防衛条約の対象に竹島(韓:独島、英:リアンクール岩礁)が含まれているのかという韓国記者からの質問を受け、アメリカは「現状維持を認める」と答えた。これは、竹島の領有についてこれまでのアメリカの発言とは違う一歩踏み込んだ表現だ。竹島は現在、韓国により実効支配されている。
しかし米政府は同氏の発言直後、その内容を訂正した。米国務省のジェン・サキ報道官はフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューに答え、「リアンクール岩礁に関するアメリカの立場に変わりはない。島の領有権問題に我が国は関与しない」と説明した。
【ケリー氏の失言だったとの見方】
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、ソウル新聞の記者はいくつかの質問をまとめて行い、最後に、竹島は米韓相互防衛条約の適用対象か、と質問した。質問は、日中の尖閣諸島領有権問題(アメリカが日米安保の適用対象と明言)と日韓の領土問題を比較したものだったという。
ケリー氏は最初、竹島問題に関係しない質問のみに答えたが、記者がアメリカの立場について再度返答を促すと、島の名前を確認した後、「その質問には先に答えたと思う、アメリカは現状維持を認めるということだ」と答えた。
韓国にとっては非常に喜ばしい発言だが、ケリー氏は混乱し言い間違ったに過ぎないだろう、と同紙は推測している。実際、米国務省のマリー・ハーフ報道官は、その日のうちに、ケリー氏は竹島と尖閣諸島を混同した、と釈明している。
【アジアの重要な戦略的拠点】
ケリー氏の発言は、アメリカが中国に対抗する「アジアの枢軸」を固めようとする大事な時局に行われた、とフィナンシャル・タイムズ紙が報じている。
日本と韓国は、竹島の問題など歴史的問題を抱え関係が硬直している。両国はどちらもアメリカの重要な同盟国であり、よって対立の加熱を煽ることはアメリカにとって全く好ましくない、と同紙は指摘している。
同紙は、韓国の専門家の、「領土問題に関する明確な立場を示せば、アメリカは外交的な不安定さを生じるだろう。韓国は、アメリカをそのような状態に追いやることは望まない」とアメリカの難しい立場に理解を示す意見を掲載。一方、「ケリー氏がよりはっきりと(竹島が韓国のものであるという)立場を示してくれれば、(韓国にとって)良いことだ」と、さらなる韓国擁護の姿勢を求める意見も取り上げている。
日本外務省は18日、日米韓3国間の連携強化は、「相互の防衛的利益を高め、共通の利益を促進し、地域の安全保障環境を改善するために重要だ」と発言した。しかし、「竹島は、歴史的事実に照らしても、国際法に基づいても、日本の固有の領土であることは明白だ」と領土問題に関しては、これまでの主張を繰り返した。
【アメリカは早期解決を求める】
韓国の中央日報は竹島の問題について、ケリー氏が「オバマ米大統領が来る時までに未解決の状態として残っていないことを願う」と発言したことを報じている。しかし、同氏は解決方法については慎重な意見を見せ、日本を意識したように原則的な立場だけを強調したという。