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アメリカ、シリアへ介入か? 錯綜する各国の思惑

  • カテゴリー:国際
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アメリカ、シリアへ介入か? 錯綜する各国の思惑

 シリア首都ダマスカス郊外の戦闘で、政府が化学兵器を使用し、多数の死傷者を出したとされる疑惑で、「内戦への深入り」を回避し続けてきたアメリカが、ついに重い腰を上げる気配を見せているという。

【これまでの経緯】
 オバマ大統領が化学兵器の使用をアメリカの介入を左右する「レッドライン」(越えてはならない一線)と言明してから、すでに相当の月日が経過した。この間、内戦は激化の一途をたどり、犠牲者も増える一方だ。化学兵器が使用されという疑惑も、これまで何度も浮上してきたが、その都度、「真相は藪のなか」で、政府軍と反体制派が互いを「真犯人」として詰りあってきた。

 イラン・ロシアは西側諸国の介入を厳しく牽制し、英・仏は積極的な介入を支持する。アメリカは「化学兵器の使用は許さない」と言いつつも「明確な証拠がない」と繰り返すのが、すでにパターン化していた。

 しかし今回、反体制派の代表組織「シリア国民連合」が、21日、シリア政府が化学兵器を使用してダマスカス郊外にあるグウタの住民1,000人以上を殺害したと主張し、人道支援団体の「国境なき医師団」が、約3600人が神経ガスによる症状を示し、うち355人が死亡したとしている惨状は、さすがのアメリカをも動かしそうだと、海外各紙は分析している。

【遅きに失した?! 念願の国連査察】
 これについて、いつもの通り反政府軍の仕業だとしているシリア政府側は、ついに、従来アメリカが求め続けてきた国連の査察を受け入れ、無実を証明するとしている。26日にも査察が実現する見通しだとも伝えられる。

 ただし、化学兵器使用が疑われる攻撃後にも激しい爆撃が行われたため、揮発性の高い化学兵器の証拠はすでに雲霧消散しているとの見方もある。もし残っているにしても、判明するのは「化学兵器が使われた」ことのみで、「どちらによって」は不明のままに終わるとの見方も強いという。
 
 アメリカは、この査察受け入れについても「遅きに失した」と表明し、政府側の化学兵器使用には「ほとんど疑いがない」として、イギリス、フランス、トルコ、イスラエルの各国と並び、厳しく非難している。

【具体化する爆撃作戦】
 西側の政府高官がフィナンシャル・タイムズに語ったところによれば、米・英・仏は、アサド政権の再度の化学兵器使用を食い止めるためには、軍事的な対応が必要だとの見識で一致しているという。

 各国とも、内戦の泥沼に引きずり込まれることは避けたい思惑があるため、シリア政府の軍施設に、ピンポイントの空襲を数回加えることで、「化学兵器の使用は断じて容認されない」との見解を示す狙いだ。早ければ今週中にも実行する見通しが表明されているという。

 ただし、こうした「攻撃」は、過去において検討された、反体制派への「支援」ではなく、あくまでも、「反化学兵器の立場を明確化する」ためのものだという。

【西側を牽制するシリア・ロシア・イラン】
 一方、アルジャジーラは「反米勢力」側の見解を紹介している。シリアのゾウビ情報相は24日、レバノンのテレビ局アルマヤディーンに対して、「あらゆることに」責任があるのは反政府勢力だと述べた。さらに、米国とその同盟国によるシリア攻撃は「容易ではない」だろう、とけん制。「大混乱と火の玉はシリアだけでなく、中東全域を破壊するだろう」とまで述べたという。

 シリア政府の最大の同盟国である、イランとロシアも、米国が一方的にシリアに軍事行動を起こさないよう、強くけん制。アメリカがかつてイラク戦争に踏み切った「過ちの轍」を踏まないようにと忠告したほか、そうなれば和平への試みが損なわれ、中東の安全保障情勢に壊滅的影響が及ぼされると強調しているという。

【アメリカの国内世論】
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、アメリカのヘーゲル国防長官が25日、アメリカは行動するリスクと行動しないコストを秤にかけている、と発言したことを紹介。

 これについて、介入に肯定的な複数の高官は、米政府にとってもっとも危険なのは、「軍事介入」を散らつかせながら、「有言不実行」に終わることだとしている。それはアサド大統領に対し、米大統領の言質は、化学兵器使用が「レッドライン」ならぬ「グリーンライト(青信号)」だと思わせるに過ぎないとの進言だ。

 中東の同盟国からも、アメリカが今介入しなければ、イランの核兵器開発をも容認するに等しいとの意見が出されているという。

 アメリカとしても、国連主導での作戦が望ましいことは言うまでもない。しかし、これ以上ロシアの足止めに二の足を踏み続けるわけにもいかない。クリントン大統領(当時)のコソボ介入を倣い断行すべきだ、などの声が高まるなか、世界がアメリカの動向を注視している。

(Newsphere編集部)

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