「過去最大」133億円の宝石を盗んだ犯人とは?
フランス・カンヌの高級ホテルで28日、1億3600万ドル(約133億円)相当の宝石が奪われた。これは、同国で発生した強盗や窃盗事件の中で過去最大の被害であり、世界最大規模でもある。
なお事件当初は、被害額は5300万ドル(約52億円)と発表されていたが、すべての出品物の在庫調査を行ったところ実際の被害総額はその2倍以上であると判明し修正された。
【犯行は、電光石火】
犯行は単独で行われた。犯人は帽子、スカーフ、手袋を着用し、拳銃を所持していたという。
犯人は、ホテルで開催されている宝飾展に白昼堂々やってきて、1分もたたない間に、ダイヤモンドイヤリングやダイヤモンド入り腕時計などを奪ったという。捜査関係者は「まるで電光石火のようだった」とロイターに語り、暴力はなかったと付け加えている。
犯行当時、現場近くに来場者はいなかったが、関係者や警備員たちは近くにいたようだ。ちょうど出品物がセーフルームから持ち出され、ディスプレイケースに飾られる前であったとインディペンデント紙(英)は伝えている。
【相次ぐ宝石強盗 今年すでに4件目】
今年に入ってから、既に4件も宝石強盗が発生している。
1件目は、2月にプランタン・デパートで300万ユーロ(約3億9000万)相当の宝石が、仮面を被った強盗団に奪われた。
2件目は、5月にホテルの客室で100万ユーロ(約1億3000万)相当の宝飾品が盗難にあった。
3件目も同月に発生しており、リゾート地のパーティで200万ユーロ(約2億6000万)相当のダイヤモンドのネックレスが盗まれている。事件当時、会場には警察と警備員80人が警備していたもよう。
どの事件もけが人はなかったようだが、未だに解決に至っていない。
【犯人はピンクパンサーか?】
事件現場のホテルは、1955年、宝石泥棒を描いた映画「泥棒成金」の撮影の一部が行われた場所でもある。
安全対策の専門家によると、大胆な犯行手口などから、犯人は国際宝石窃盗団「ピンクパンサー」ではないかとNBCニュースに語っている。
26日には、「ピンクパンサー」のメンバーが、共犯者の助けでスイスの刑務所から脱獄していた。脱獄と今回の宝石強盗との関連はまだ明らかではないが、今後厳密に調査されるだろうとAP通信は指摘している。