オバマ政権を襲う「3つのスキャンダル」とは?
【1.保守派政治団体の「差別」疑惑】
米内国歳入庁(IRS)が、保守系の団体に対し税審査を厳格化していた疑惑を受け、オバマ米大統領は15日、IRSのスティーブ・ミラー長官代行を解任した。16日には、米行政管理予算局のダニエル・ウェルフェル氏を後任に指名した。22日付で就任する見通しである。また同日、IRSのナンバー2であるジョセフ・グラント税免除・政府機関局長が辞任を発表した。
オバマ氏はこの疑惑について、報道で初めて知ったと語ったという。ただ、数週間前からIRSに関する「潜在的な動き」を通知されていたと報道官は述べている。
保守系団体を支持基盤に持つ共和党は、この問題について大統領を厳しく批判。民主党内からも同様に非難の声が上がっているという。
同大統領の一連の行動に、クリントン氏の特別顧問弁護士でもあるデイビス氏は、「気丈に、早急に対応するべきであった」と語っている。
【2.在リビア米領事館攻撃事件への対応】
2012年9月に起きた、リビア・ベンガジでの米領事館襲撃事件について、政府の情報公開姿勢に問題があったと批判されている。
この度ホワイトハウスが発表した文書によると、当初からイスラム過激派の関与の可能性を認識しながら、安全対策をとっていなかったことを追及されるのをおそれ、議会に報告していなかったことが明らかになった。文書では、オバマ大統領の直接的な関与は記述されていない。
ただし共和党は、大統領選挙の最中だったこともあり、政治目的のために情報を隠ぺいしたのではないかと批判を強めている。
【3.AP通信記者の「通話履歴収集」問題】
米司法省が、2012年に数週間にわたり、AP通信の編集者や記者の通話記録を押収していたことが問題になっている。
政府はAP通信に対し、通話記録収集の事実を伝えたものの、理由は明らかにしていない。オバマ大統領も、安全保障の観点から情報漏れの懸念があったとし、詳細についてはコメントを控えた。「謝罪しない」旨述べたこともニューヨーク・タイムズ紙は報じている。
急浮上したこれらのスキャンダルに対し、オバマ政権はいかに対処するのか、今後の動向が注目される。