中国船が尖閣領海侵入 海外紙は日本の対応をどう報じたか?

中国船が尖閣領海侵入 海外紙は日本の対応をどう報じたか? 安倍首相は23日国会で、外国グループが尖閣諸島に上陸を試みるなら政府は「断固たる行動」を取ると警告した。「我々が、彼らを実力では排除しないというスタンスを取った場合、それは彼らに上陸を勇気づけることであって、紛争はエスカレートするでしょう」「正しいアプローチとは、我々は絶対に彼らに上陸を成功させないという、我々の強い意志を示すために、物理的に対応することです」と首相は語った。

 この日尖閣諸島では、中国側は、過去最大規模となる8隻の海洋監視船団を航行させ、一方で日本の右翼活動家約80人が10艘のボートに分乗し接近していた。さらに現場には海上保安庁の巡視船も航行した。ニューヨーク・タイムズ紙によれば、海上保安庁は昨年起こったような右翼活動家の上陸を警戒していたと言う。

 中国外務省は、ボートの「不法侵入」について日本に「強い抗議」を提出したと述べた。一方日本の河相周夫外務次官は、巡視船の侵入に抗議するため中国大使を召喚したが、大使は海上保安庁巡視船の「中国領海内での」活動についてさらに抗議。平行線となっている。

 尖閣諸島をめぐる紛争は、昨年9月、日本が尖閣諸島のうち3島を個人地主から購入したことで激化し、中国で暴力的な反日デモにつながった。今年初めには双方の戦闘機や艦艇のスクランブルが増加して緊張がさらに高まったが、ここ数週間は北朝鮮の挑発的言動が共通の問題となり、ある程度沈静化していた。
 しかし先週、中国は5月に予定されていた日中韓3ヶ国サミットをキャンセル。一方日本は週末以降、閣僚や超党派議員団が靖国神社を参拝することで、改めて中国・韓国からの反発を呼んでいた。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、「事実上すべての自民党国会議員が」憲法改正による反戦規定の後退を望んでいる一方、有権者は、多くが尖閣諸島について厳しい立場を取るよう政府に望みつつも、改憲に賛成するのは約半数にとどまると報じた。

Text by NewSphere 編集部