北朝鮮、イラン・・・アメリカは「弱腰」か?

 ケリー米国務長官は、トルコ、イスラエル、英国の訪問に続き、12日、韓国に到着した。13日には中国、さらに日本も訪問予定だ。

 英国では11日、G8外相会談が開かれた。G8は北朝鮮に対して、核および弾道ミサイルの開発を続けるなら制裁を強化すると、「可能な限り強い言葉で」非難した。またG8は、イランの核開発問題や、シリア内戦についても協議した。

 訪中に際しては、ケリー長官は中国に対し、貿易制限や銀行口座凍結など、北朝鮮に圧力を掛けるよう求めるだろうと報じられている。
 フィナンシャル・タイムズ紙は、北朝鮮にとって「欠かせない」中国の対北姿勢に、「微妙な変化」があると、キャンベル元米国務次官補の見込みを伝えた。
 ラブロフ露外相も、「北朝鮮について、米国と意見の相違はありません」と発言している。
 四面楚歌になりつつある北朝鮮だが、同紙は一方で、ケリー氏が中国周辺での軍事力展開には慎重な立場であることも指摘した。中国を刺激するためである。

 またウォール・ストリート・ジャーナル紙は、イランとの核協議が一向に進展せず、同国の交渉意志が疑われている中、あくまで外交的解決に固執する米国は、イスラエルはじめ同盟国から弱腰を批判されていると伝えた。
 シリア紛争についても、オバマ米大統領が反政府勢力への直接的な武器供与に消極的であることが、米国内からも疑問視されているという。アルカイダ系の武装勢力が大戦果を上げている背景もあり、このままでは、現政権を打倒しても、後継政権の形成において米国が影響力を発揮できなくなるとも懸念されている。

 なお同紙は、11日に米国防総省傘下の国防情報局が、「北朝鮮が、信頼性は高くないものの、ミサイルに搭載可能なほど小型の核爆弾を開発している可能性がある」と警告していたことを報じた。ただし、国防総省のリトル報道官は、北朝鮮がその種の開発に成功したという情報は、「正確ではない」と述べている。

Text by NewSphere 編集部