2014年ソチオリンピック、無事開催できるのか?

 2014年ソチオリンピック開幕まで1年となった7日、ロシアのプーチン大統領は、オリンピック組織委員会のビラロフ副会長を更迭した。準備の遅れや費用の増大が理由だ。プーチン大統領は6日に開催施設等を訪問した際、滞る工事の様子に怒りを表し、ビラロフ氏を批判していた。ソチオリンピックの準備においては、汚職や工事の遅延が問題になっており、プーチン大統領は不正を絶対に許さないとの姿勢を強調している。

【開催に向けて様々な問題】
 会場施設の工事の遅れが目立ち、開催に間に合うのかとフィナンシャル・タイムズ紙は懸念している。49の建設サイトが遅れ、379の施設のうち、完成しているのはわずか153だという。さらに、開催費の総額は500億ドル(4兆6000億円)に達し、オリンピック史上最高額となると指摘した。大国の威信をかけた大規模なプロジェクトの任務を果たせず、副会長が進行を妨げていると判断したプーチン大統領は今回の更迭を命じたようだ。

 一方ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、オリンピック開催準備の背景に見え隠れする横領疑惑に着目。膨れ上がっている開催費について、プーチン大統領は「資材購入資金を盗むことがあってはならない」と強調し、巨額の開催費の裏に潜む横領など腐敗があることを強く示唆していると報じた。

【ソチは暖かい?】
 様々な問題が出ているソチオリンピックだが、無事に開催してもまだ安心はできない。ニューヨーク・タイムズ紙は、ソチはウィンタースポーツに不向きな地域ではないかと疑問視する。暖かい気候で知られるソチは「ロシアは寒い」というイメージからかけ離れていると報じた。実際、来週開かれる予定だったオリンピックの新種目「フリースタイルスキー・スロープスタイル」のテスト大会は、雪が降らないとの理由で中止になった。

 なおオリンピック組織委員会は、来年の大会時の雪の量は「心配ない」と強調し、「雪の備蓄」も進めているという。

Text by NewSphere 編集部