韓国、人工衛星打ち上げ初成功 他国への影響とは?

韓国、人工衛星打ち上げ初成功 他国への影響とは? 30日、韓国の人口衛星搭載ロケット「羅老(ナロ)号」が打ち上げられ、衛星は予定された軌道に投入された。31日には、人工衛星研究センターが衛星からの電波受信を確認し、韓国にとって初めての打ち上げ成功となった。韓国は2009年と2010年に打ち上げに失敗しており、3回目の打ち上げで成功をおさめた。国際社会が認める形で国産ロケットの開発から打ち上げまで成功させたのは、米露、日本などに続き10ヶ国目(北朝鮮を除く)となる。なお2段式ロケットの1段目は開発途中のロシア製だという。
 打ち上げの様子は国営放送で国内全土に放映された。成功を受けて李明博大統領は、「打ち上げにかかわったすべての人を称賛する。これから始まる宇宙世紀への偉大な一歩を踏み出した」と述べている。
 海外各紙は、衛星の打ち上げ成功が他国、特に北朝鮮に与える影響について報じている。

 今回の打ち上げは、韓国の国際的な地位の向上に一役買うことになるだろうと報じられている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、3回目の発射の前には、もし今回も失敗すれば、韓国の信頼や宇宙開発に関する能力が疑われると懸念する声もあがっていたという。しかし無事成功を収めることができたため、李明博大統領はこれを国際的な立場の向上に使いたい意向だとフィナンシャル・タイムズ紙が報じている。

 また、北朝鮮が昨年、人工衛星の打ち上げについて「他の国がやっていることを我々もやるだけ」と主張していたことをフィナンシャル・タイムズ紙が報じた。北朝鮮が、韓国の衛星打ち上げを利用し、自国の打ち上げの権利を主張することを懸念している。北朝鮮は昨年12月に、国連決議で禁止されている衛星の打ち上げを強行し、各国から非難を浴び、新たな制裁も決定した。これに反発する北朝鮮は、3度目の核実験を行うことを宣言している。

Text by NewSphere 編集部