新ブラックベリー、起死回生の一手となるか?

新ブラックベリー、起死回生の一手となるか? カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)社が、スマートフォン「Blackberry10(BB10)」を発表した。同社のスマートフォン市場でのシェアは、ピーク時の20%(2009年)から、6%にまで低下しており、同製品は「社運を賭けたプロジェクト」と報じられている。

【製品の評価】
 フィナンシャル・タイムズ紙は、調査会社ガートナー社の専門家の評価を紹介した。「BB10は企業向けの製品で高い管理機能を備えている。」とし、ユーザー体験に関しても「iPhone 5に対抗できる最高レベルの評価を得た」と高く評価している。「今後12カ月間のメインプラットフォームはBlackBerry」と回答した企業が14%という調査もあり、セキュリティ面とキーボードなどのハードウェアを高く評価する向きもあるという。
 一方ガーディアン紙(英)は、RIM社の生き残りを賭けた商品だが、機能が十分ではなく消費者のニーズに応えていないという専門家の厳しい評価を報じた。

【BB10の課題】
 ブラックベリーの昨年の契約者数は初めて減少し、7900万人(100万人減)となった。主に企業向けに提供していた同製品だが、近年はその比率は大幅に低下しているとみられている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、一般消費者の顧客が増えたことも要因だが、企業が個人デバイスの業務利用を可能にするプログラムを導入している影響も大きいという。同紙は、法人顧客は一般消費者に比べて収益が大きいため、その流出がRIMの利益を圧迫していると指摘した。

 こうした状況下、中国のレノボ社がRIM社の買収を検討しているという情報が報じられている。レノボ社CFOのミン氏は、「我々はあらゆる可能性を調べており、RIMやその他の企業が候補」と発言しており、今後の動向が注目される。

Text by NewSphere 編集部