グーグル、モバイル時代を生き残れるか?

グーグル、モバイル時代を生き残れるか? 22日、米グーグル社は昨年第4四半期の決算を発表。総売上は前年比36%増の144.2億ドルで、利益も27.1億ドル(1株あたり8.22ドル)から28.9億ドル(同8.62ドル)に増加した。広告のクリック単価は前年比平均6%の下落となったが、第3四半期の15%よりは減少が遅く、通年では最小の落ち込みであった。逆にクリック数は前年同期比24%増であるが、第3四半期の33%増には及ばなかった。また、昨年買収したモバイル機器メーカー・モトローラについては、年末に売却したセットトップボックス(電波チューナー)部門を除いて、3.53億ドルの損失となった。大方の予想より業績が好調であったことで、同社の株価は時間外取引で約5%上昇した。

【スマホ普及でクリック単価下落】
 クリック単価は5四半期連続で下落しているが、これは消費者および広告主がスマートフォンなど、広告単価の安いモバイル端末上へとシフトしているためだと各紙は解説した。グーグル検索結果におけるデスクトップPCとモバイル端末のクリック数比は、6ヶ月前の77:23から、73:27へと接近している。
 またクリック数の成長鈍化について、アローラCBO(最高事業責任者)はサイト内の広告数制限などルールを厳格化したためだと述べているが、ニューヨーク・タイムズ紙は、モバイル検索においてグーグルではなくYelpやKayakのようなアプリケーションが使われる傾向が強まっていると指摘した。さらに、グーグルが利用される場合でもiPhoneで検索されればグーグルはAppleに手数料を支払わなければならないことや、Facebookの新サービスが今後新たなライバルになることも指摘した。

【トップは自信】
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、こうした動きに対し、ペイジCEOは検索エンジン進化の歴史を説き、グーグルは「異なる種類のデータ収集」について「莫大な投資」をしてきたと自信を示したという。ペイジ氏は、モバイル広告の割合がデスクトップPCのものに等しくなるとの予測も否定した。
 またモトローラ端末の販売については、バッテリー寿命の向上など、改善の「現実的な可能性がある」と発言している。

Text by NewSphere 編集部