ロシアでマフィア首領暗殺 主犯とその狙いとは?

ロシアでマフィア首領暗殺 主犯とその狙いとは? ロシアの首都モスクワで16日、マフィアの首領アスラン・ウソヤン氏が何者かに銃撃され、死亡した。 ウソヤン氏は現地時間午後2時半頃、中心部のレストランを出たところを狙撃され、近くにいた女性従業員も巻き込まれて負傷した。 ウソヤン氏はグルジア出身で「ハッサンおじいさん」の異名を持ち、ニューヨーク・タイムズ紙などは、旧ソ連時代に最も大きな影響力を持っていた犯罪者と報じている。なお同氏は2010年秋にも狙撃されていたが、一命を取り留めていた。

 本事件の犯人はまだ明らかになっていないが、各紙とも、他の犯罪組織との対立による抗争が原因だとみている。フィナンシャル・タイムズ紙によると、別のグルジア系組織の首領であったオニアニ氏が関係しているのではと捜査関係者はみているようだ。冬季オリンピック開催地であるソチの土地利権・建設プロジェクトをめぐるトラブルが原因とみられる。

 今回の事件は、旧ソ連崩壊直後に生じた、犯罪組織の凄惨な抗争の再現かと懸念する声もあると、ニューヨーク・タイムズ紙は報じている。プーチン氏の大統領就任後、この種の犯罪は激減したものの、水面下では犯罪組織の構造は残っており、ウソヤン氏の暗殺によって集団犯罪などが急激に悪化する可能性も示唆される。ただ、他の大物が無事な中、なぜウソヤン氏だけが狙われたのかはいまだ謎だという。

Text by NewSphere 編集部