なぜタリバンは予防接種を妨害するのか

なぜタリバンは予防接種を妨害するのか パキスタンで、ポリオの予防接種に取り組むWHO職員などが襲撃され、犠牲者が相次いでいる。17日~18日には、子どもたちへポリオの予防接種を行なっていた女性6人が殺害された。19日には、同じく接種を行なっていた3名が攻撃されて死亡との発表もあった。
 
 この事件の主犯についての証拠は今のところないが、イスラム過激派「パキスタン・タリバーン運動(TTP)」による犯行だとみられている。

 このような妨害事件は、去年パキスタンが、ビンラディン確保に協力し、偽の予防接種を行ったことで、イスラム過激派の怒りをかったことに起因している、とウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。

 またニューヨーク・タイムズ紙は、TPPの司令官が6月、「アメリカの無人偵察機を止めない限り予防接種を妨害し続ける」と脅しをかけてきたことを報じた。今回の事件が単発ではなく、影響が長引くと示唆する発言も取り上げている。
 
 なお、パキスタンは世界でポリオが絶滅していない3ヶ国のうちの1国で、政府は予防接種キャンペーンを行なっていた。患者数が減少する中、今回の攻撃を受け、予防接種は中断されている。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、WHOとユニセフが「子供の予防接種が安全に行われるために、あらゆる地域や人と協力して、より安全な環境を作っていく」と述べたことを報じた。

Text by NewSphere 編集部