海外紙は安倍政権をどう評価しているか?
海外各紙は安倍氏の組閣人事と将来性に着目。この6年間で実に7人目を数える「首相」の「政権維持力」と「政策の3本柱」の行方を占った。
フィナンシャル・タイムズ紙は、今回の組閣を「緊密な連携と政策の専門家」による内閣と分析。安倍氏が、自らの景気回復の筋書きの推進を第一優先にしていることは、専門家が「財務省を統括できる唯一の政治家」と評する麻生氏の起用にも表れているという。度重なる景気後退局面を脱出できない現在、国債だけを財源とする刺激策には無理があると安倍氏の政策に反対する財務省を、今後、麻生氏がどう仕切っていくのが注目されるという。
意外とも思われるのは、自民党内でも意見の分かれるTTP参加の可否や、尖閣諸島をめぐる対中関係の緊張を初め、外交上の問題が山積するなか、それぞれの担当大臣として、日本でほぼ無名の岸田氏と小野寺氏が起用されたことだという。フィナンシャル・タイムズ紙はこれを、“安倍カラー”一色で固め、馴れ合いの「お友達内閣」と揶揄された前回の轍を踏まないためと分析。
一方、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、安倍氏が来年の参院選までは、海外諸国とのあいだに波風を立てることなく絆を構築し、国内の景気浮揚に集中するために、「果敢にイニシアチブをとらない、動かしやすい」人物を選んだのではと述べた。実際、安倍氏は、韓国に特別大使を送る動きがあるほか、すでに、在日本中国大使と面会したとも言われている。
また安倍氏は、平和憲法を改正し、れっきとした軍隊を持った独立国家となることが必要だという主張で知られるタカ派だが、これにいつ、どのように取り組むのかについては沈黙を守っているという。
安倍氏に「返り咲き」をもたらした今回の選挙は、同時に、日本の有権者が「変化」を標榜しながら実行しない政治家を見限る「素早さ」を証明した。各紙とも、その有権者の厳しい目が、自民党を見つめているとし、波乱必至の対外政策よりも、景気浮揚という、誰もが歓迎する効果を「素早く」、来年夏の参院選までにどれほど示せるかが、安倍新政権存続の鍵と報じた。