アメリカ「財政の崖」回避なるか―バーナンキ・FRB議長も懸念―
米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は20日の講演で、「財政の崖」への対応を怠れば、景気回復の腰を折りかねないとの考えを表明した。議会の協議が進展しないことにより既に悪影響は及んでおり、もし「財政の崖」問題を早期に解決できれば、2013年は米経済にとり「非常に良い年になる」と前向きな見方を示した。実際、住宅市場の一部には改善の兆候がみられるとも指摘した。議会・政府に対して信頼ある長期財政再建計画の策定を求める一方、経済への逆風を不必要に強める措置については反対する立場を明確にした。
先日のオバマ大統領と与野党の議会幹部らによる協議にて、「財政の崖」問題の回避に向けて双方が歩み寄りを見せたものの、富裕層への増税をめぐる対立は続いている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、オバマ大統領の外遊、そしてサンクスギビング・デーにより、交渉の進展はほとんどないとみている。