習近平氏、総書記就任-10年ぶりの中国指導部交代-

 15日、習近平国家副主席(59)が中国共産党の新たな総書記に選出され、新体制が発足した。総書記就任の会見で習氏は、「汚職、腐敗問題や官僚主義は全力で解決しなければならない」と述べ、一定程度の行政改革には取り組む姿勢を見せた。李克強・副首相も、政治局常務委員(党内序列2位)に選出された。習氏と李氏は来年3月に、それぞれ国家主席、首相に就任する見通しだ。実質的な指導部である政治局常務委員のメンバーは、7人で、これまでの9名から2名減った。

 新たな指導者となった習氏は、政党内でのスキャンダルや汚職、経済成長の鈍化や貧富の差の拡大といった深刻な問題への対処が迫られると指摘されている。こうした中、新政権がどのような舵取りを行うのか注目が集まっているとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。ただ、事実上引退した江沢民・元国家主席の影響がまだ習氏にあるという報道もあり、大胆に政策を推し進める可能性は低いと専門家はみていることを、フィナンシャル・タイムズ紙は報じた。

 習氏の演説は「国民の生活の向上のために」といった人間味あふれるものであったが、具体的な政策がまったく明確ではない、と大学教授から批判があったことをニューヨーク・タイムズ紙が報じた。胡氏が軍事トップも習氏に引き継ぐ見込みのため、軍との結束を強固にできれば、外交に対する近隣の論争などへも的確に対処ができ、尚10年間総書記の立場、を維持できる可能性があるとフィナンシャル・タイムズ紙は報じた。この先の中国の政策の見通しは明確ではない、と各紙は報じてもいる。

Text by NewSphere 編集部