ヨーロッパの成長予測、下方修正 2014年までは我慢-
欧州委員会は7日、EUおよびユーロ圏の成長見通しを下方修正した。
半年前の経済見通しでは、委員会はユーロ圏17ヶ国のGDPが今年0.3%縮小したあと来年1%の成長に転ずると予測しており、同じくEU圏27ヶ国については今年横ばい、2013年には1.3%成長に上昇すると予測していた。
実際には今年、ユーロ圏17ヶ国は0.4%縮小、EU圏27ヶ国は0.3%縮小。2013年の予測成長率はユーロ圏0.1%、EU圏0.4%へと引き下げられた。2014年に入るとユーロ圏で1.4%、EU圏で1.6%の成長に持ち直すという。ヨーロッパ経済は、まだしばらくは我慢を強いられそうだ。
これまで他のユーロ圏諸国からの悪影響を回避してヨーロッパ経済の牽引役であり続けたドイツさえ、1.7%の前回予測から半分に下方修正されている。ニューヨーク・タイムズは、国別の成長予測について以下のように報じている。
・スペイン: 今年と来年はGDP1.4%収縮、2014年には0.8%の成長に戻る。
・ギリシャ: 今年6%の収縮、2013年には同じく4.2%、2014年には0.6%の成長に戻る。
・ドイツ: 今年と来年は0.8%、2014年には2%。圏内最大の経済成長である。
・フランス: 今年0.2%の成長、2013年には0.4%、2014年は1.2%。
ウォール・ストリート・ジャーナルはドイツの新規失業者が5ヶ月連続増加している点などを挙げ、このままならば来年9月の選挙でメルケル首相にとって逆風が吹くとの懸念を伝えた。
見通し悪化の原因について、フィナンシャル・タイムズは「ソブリン債務危機や弱い輸出需要」、ウォール・ストリート・ジャーナルは「(南欧諸国における)財政再建のための政府の予算削減」「企業が欧州での設備投資に消極的なこと」を挙げている。またニューヨーク・タイムズは、スペインなどが財政赤字削減目標の達成に失敗すればさらなる緊縮政策を呼ぶことになり、成長見通しは再び悪化するとの説明を伝えている。