ロシアの国営石油会社ロスネフチ、世界最大に
ロシアの国営石油会社ロスネフチは22日、ロシア石油3位TNK-BPの買収で合意したと発表した。TNK-BPは、英大手BPとロシアのAARが折半出資していた。買収額は合計約550億ドルとなり、ロスネフチは世界の上場石油会社で最大となる。
Financial Timesの報道姿勢―BP投資家のメリットは明白―
ロスネフチにとって莫大な財政負担となると指摘しつつ、来年約167億ドルの純利益があるため、問題ないと分析した。
また、一部の投資家が心配する中、BP幹部の前向きなコメントを取り上げた。世界最大の石油会社との関係、石油・ガス市場における相乗効果、ロスネフチのベネズエラにおける巨額投資などの利点を挙げ、「BP投資家のメリットは明白」と述べた。さらに、BPは配当や自社株買いに最大50億ドル払うとみられると報じた。
The New York Timesの報道姿勢―BP、プーチン氏にアプローチ―
BPは長年、世界最大の石油埋蔵量のあるロシアに専心しており、ダドリーCEOを、旧ソ連で石油事業を開拓したミシシッピ州人であると紹介した。彼は、プーチン大統領は恐らく何十年もロシアで繁栄するだろうと評価していると報じた。BPは、90年代の富豪グループから、プーチン氏と近しい元KGB諜報部職員の優勢グループにとり変えようとしており、今回の取引で彼はその目標を達成したと評した。
The Wall Street Journalの報道姿勢―ダドリーCEOのリベンジ成就―
今回の取引で、ダドリーCEOの正当性が証明されたと評価した。彼は昨年、ロシアの石油探査でロスネフチとパートナーを組もうとしてAARに妨げられ、大きな痛手を被った。ダドリー氏の「この投資は、ロシアでの価値を創造するBPの実績の上に成り立っている。それは、世界で最も潤沢な石油・ガス分野で、当社の地位を高めるという我々の戦略と合致する」というコメントを掲載した。