安倍晋三自民党総裁、靖国神社に参拝 日本の今後は?
日本の安倍晋三自民党総裁が17日、靖国神社に参拝した。
安倍総裁は、慰安婦問題や憲法第9条の改正をめぐる言動から、一般にタカ派と評される。しかし、2006年に総理大臣就任時は、小泉首相の靖国参拝問題で冷え込んでいた中・韓との関係改善に腐心し、定期的に行っていた靖国参拝も就任中は控えた。ただし、就任中に参拝しなかったことを後悔しているとの本人の談もある。
今年9月、自民党の総裁に選出され、「近いうち」に行われるとされる総選挙で自民党が政権奪回を果たせば再び総理大臣に返り咲くことから、言動が耳目を集めていた。
Financial Timesの報道姿勢―対中関係悪化の懸念―
安倍総裁を国家主義的と評し、その由縁を紹介した。
今回の一件を、新華社通信が「日本の右傾化という国際世論を裏付けるもので、軍国主義の再来すらあながち杞憂とはいえない」と報道したこと、日本の尖閣諸島国有化に対して、中国側が国交正常化40周年式典を中止したことや、人民銀行総裁のIMF総会を欠席したことを伝えた。
次の総選挙で自民党に勝算ありとした上で、総理に返り咲いた安倍総裁が靖国参拝を強行する可能性を示唆した。
The New York Timesの報道姿勢―タカ派の首相候補の参拝 民意やいかに?―
タカ派として知られる安倍氏が、自民党総裁に選出後初めて靖国神社に参拝したことで、今後の日本の右傾化が懸念されるとした。領土問題で関係が悪化している中・韓のみならず、協定によって防衛義務のある米国も憂慮しているところ。ただし個人的信念はさておき、「実際家」と評される安倍氏の人柄を紹介し、過去の言動からも、総理に就任した場合の行動はさほど過激化しないという見方も強いとした。
結局問題は、日本国民が、安倍氏の右傾的姿勢をどの程度支持するかだと分析。その点、中国の圧力が強まらないかぎり、右傾化の可能性は低い。国民の懸念はむしろ、安倍氏がまた中途半端に職務を投げ出すことにあるとし、安倍氏への支持率の低さを現状として報道した。
Global Times(中国)の報道姿勢―ご都合主義の安倍総裁、大山鳴動させる―
典型的なタカ派の政治家である安倍総裁が、前回総理就任時に小泉総理の靖国参拝の火消に奔走したことを紹介。日本の政治家によくある、絵に描いたようなご都合主義者、と評し、今回の参拝は日本国民の右傾化を読んだ結果だと分析した。さらに、政治家の右傾化は続くとしながらも、今や大国となった中国と直接衝突すれば、日本に勝機はなく傷つくだけだとした。結局安倍総裁が考えるほど、彼の動向は日中関係に影響しない、と切って捨てた。