アメリカ、駐リビア大使殺害へテロ組織関与と発表―オバマ外交失敗との批判に焦点―

 米国家情報長官(DNI)は28日、9月11日に起きた米駐リビア大使殺害に国際テロ組織アルカイダの関連グループが関与していたと認める発表をした。なお、事件発生当初、オバマ政権は偶発的事件だと発表していた。
 このタイミングで「テログループの組織的犯行」を認めたオバマ政権のねらいとは?対する野党共和党はどう攻めるのか?

Financial Timesの報道姿勢-共和党、オバマ外交の失敗と批判-
 共和党が、オバマ政権の事件への対処が遅すぎると批判していることを報じた。例えばタカ派のマケイン議員は、あんな重武装の襲撃が偶発的なわけがない、とTVで痛烈に批判している。大統領選における1回目の直接討論会が10月3日に行われるが、この問題はオバマ大統領の外交面の失敗として攻撃されると予測している。
 リビア側は現場の調査・事情聴取を行っているが、犯人の手がかりなどの発表はなく、結論はまだ出ていない。前元首カダフィ氏の陰謀が裏にあるのではと疑う声も複数あると指摘した。

The Wall Street Journalの報道姿勢-大統領選にも影響か?攻勢強める共和党-
 本件に関する共和党の批判を重点的に取り上げた。それは、オバマ政権はこの事件が「計画的な犯行」であることを知っていたのにもかかわらず、当初は「偶発的」だと発表したのではないか、というものだ(編注:もし計画的犯行だと認めてしまうと、それを事前に察知し防ぐことができなかったという、外交・安全保障の失敗を意味することになるためだ)。それに伴い、外交政策顧問のスーザン・ライス氏の辞任を求める声も出ていると指摘した。なお、オバマ政権は、計画的犯行だったかは不明であり詳細は調査中、という立場を依然とっていると報じた。

Text by NewSphere 編集部