5Gスマホ、2021年までに1億台超 日米中韓が牽引 最新予測

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 カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチは、5Gスマートフォンの出荷台数は2021年までに255%成長し、ほぼ1億1千万台に達する見込みであり、商用化が間もない2019年頃は成長はゆっくりだが、各国の5Gインフラが非スタンドアローンからスタンドアローンに切り替わるにつれて、売り上げは増加傾向に転ずるとの最新調査を発表した。

 主な調査結果は以下の通り。

・世界の5Gスマートフォンの売り上げは2021年までに225%の伸びを示し、ほぼ1.1億台に達する見込み
・米国、韓国、中国、日本が5Gインフラの開発とスマートフォン売り上げの成長にとって、鍵を握る市場であろう
・一方で短期的には成長を阻害する課題がいまだ存在する。スタンドアローン5G規格の制定が市場の触媒となるだろう
・世界のスマートフォン市場全体の伸びは2018年から2021年にかけてCAGR 1~2%に減速し、これは市場が飽和したこと、新機種への更新サイクルが遅くなったこと、それに市場成長につながるほどの製品の進化が減ったこと、に起因する

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Counterpoint Technology Market Research Limited

 こうしたトレンドについて、リサーチディレクターのTom Kang氏は以下のように述べる。

「5G商用化の初期段階での成長が遅いのには、いくつかの要因がある。まず、5Gの規格はまだ決まっていないものもあり、商品・サービスの市場機会が不確実である。また、5G用のチップの価格設定は高くなると我々はみており、結果として端末の価格が上昇する。このため、5G通信ができる端末は当初は高級機種に限られるだろう。加えて、第一世代の5Gインフラを導入する国はわずかだろう」

 こうした点に加えて、リサーチアナリストのMaurice Klaehne氏は次のように述べている。

「米国、韓国、中国、日本では大きな最初の動きがあり、2019年からの大規模な5G導入計画があるこれらの国が成長の中心となるだろう。他の国々、特に欧州は、具体的なビジネスケースがはっきりするまでは全面的な移行は控えるとみられることから、時が来たらスタンドアローン5Gに一足飛びに切り替えると思われる」

 スマートフォン市場全体について、リサーチディレクターのPeter Richardson氏はこう付け加えている。

「2018年から2021年にかけて、スマートフォン端末市場は減速しCAGR 1~2%の見通しである。これは市場が飽和したことと、製品の進化が市場を刺激するほどではないこととによる。5G端末はシェアを得ていくだろうが、全体として移行はゆっくり一定のペースで進みそうだ。5Gのビジネスケースと5Gのインフラが確立できたら、売り上げは拡大するだろう」

Text by 酒田 宗一