「LGBTの皆さん、日本へようこそ」 政府観光局の姿勢に驚く海外“あの日本が…!?”

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 LGBT(性的マイノリティー:レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの略)をめぐる日本の新たな動きに、海外メディアが注目している。渋谷区が同性カップルに「結婚に相当する」と認める証明書を発行する条例案を発表したのに続き、日本政府観光局が、LGBTの観光客を歓迎する意向を示しているのだ。

◆レズビアン・カップルも同じように
 ニューヨークで開かれる日本政府観光局主催のJapan Weekで、「日本を発見したい」カップルを日本に招待するイベントが開かれている。それに応募した130組のカップルの中から、最終選考に3組のカップルが選ばれた。そのうちの1組が、レズビアンのカップルだったのだ。最終候補者の3組のカップルには、グランド・セントラル駅で和装のウェディング衣装でのフォト・セッションが用意されたが、ブリタニー・ボッチオとテレサ・ヒットルの2人は白無垢と打ち掛け姿で写真に収められた。

 それを受けて、米国版ハフィントンポストが「標準的な家族という価値観が強く残り、男女平等がカタツムリの速度で進展し、LGBTの問題については押し黙る」日本で、公的機関のレベルでこれだけの動きを見せたとは「前例のないことだ」と、驚きをもって紹介している。

◆LGBTツーリズムの取り込みを目指す
 動きはもちろん、それだけではない。同サイトによれば、4月に開催される、国際ゲイ・レズビアン旅行協会(International Gay and Lesbian Travel Association)の国際会議に、日本政府観光局からも代表者が出席する。LGBTの旅行者を見込んでのことだ。

 ゲイ・レズビアンのカルチャー誌『OUT』によれば、日本政府観光局のニューヨーク事務所所長の田中由紀氏は、この動きはまだ初期段階であるものの、進展はしていると述べている。

◆国内の同性婚容認には波乱含み
 一方で、国内のLGBTを容認する動きには依然、変化の兆しは見られない。安倍首相は18日の参院本会議で、同性婚容認に否定的な見方を示した。

 参院本会議の代表質問で、日本を元気にする会の松田公太代表が安倍首相に同性婚を容認するよう憲法の改正を提案した。憲法24条では「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」としている。安倍首相は、日本の家庭のあり方の根幹に関わる問題であり、「極めて慎重な検討を要する」と答えた。安全保障の問題では憲法改正のために戦ってきた安倍首相が、とブルームバーグは述べている。

 一方で、ファースト・レディの昭恵夫人が、昨年4月にLGBTのイベント「プライドパレード」に参加したことを伝え、安倍首相は家庭内でこの問題に対する圧力に直面するだろう、とブルームバーグは締めくくっている。

Text by NewSphere 編集部