石原慎太郎氏の政界引退、海外ネット民は歓迎 “尖閣諸島に引退用の家を建てよう”
次世代の党の石原慎太郎最高顧問は16日、衆院選落選を受け、正式に政界引退を表明した。
◆今の野望は
国会議員最高齢だった82歳の石原氏は、国粋主義者的な意見が度々メディアに取り上げられてきた。引退会見でも、中国を「シナ」と呼び、嫌悪感を口にし、「共産党の独裁」を終わらせるよう求めた、とウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は報じている。同氏が静かに引退することはなかった、というのだ。
台湾の英字紙『Want China Times』は、「中国との戦争を望みながらも敗れて引退する日本人右翼」(Defeated Japanese rightwinger bows out wanting war with China)と題する記事で、石原氏の引退を報じた。
同紙によると、石原氏は短編集『やや暴力的に』の著書インタビューで、今の野望は何か、と聞かれ、「シナ(中国)と戦争して勝つこと」と語った。石原氏は、もし自分が首相だったら、中国の巡視船を強制的に追っ払っていた、とも述べた。
◆人から憎まれて死にたい
石原氏は、中国批判と日本のリベラル派をいらだたせる発言により、半世紀に渡るキャリアを築いてきた、とAFPは評している。
石原氏は、東京都知事だった2012年、尖閣諸島を購入するべく東京都尖閣諸島寄付金を募集し、日中間の領土戦争に火がついた。結局、尖閣諸島は日本国政府により購入、国有化され、中国からの激しい反発を招いた。
石原氏の発言はしばしば新聞の見出しを飾ってきた。「日本軍による南京大虐殺はなかった」、「同性愛者には遺伝的欠陥がある」などの発言や、2011年の東日本大震災を「天罰」と評したことなどは有名である。
引退会見においても、共に日本維新の会を立ち上げた橋下徹氏について、「彼のパワフルな演説は若い時のヒトラーみたい」と評した。
石原氏は、「言いたいことを言って、やりたいことをやって、人から憎まれて死にたい」、と述べた、とWSJは報道している。
◆引退後は尖閣諸島で暮らしたら
石原氏の政界引退報道は、海外ネット民から概ね歓迎されたようである。
『Japan Today』には、「引退してくれてうれしい」「バンザイ」「人種差別主義者は消えてほしい」などの意見が寄せられた。少数ではあるが、東京都知事時代の仕事ぶりや、恐れず率直に自分の意見を表明する姿勢を評価する声もあった。石原氏が提唱した尖閣諸島寄付金を皮肉って、「石原氏のために尖閣諸島に引退用の家を建てよう」という声も寄せられた。
石原氏は、「若い芸術家を育てる仕事をしたい」「元気ならヨットレースにでたい」と引退後の計画について語ったとAFPは結んでいる。