1分でわかる、各党の公約まとめ 経済成長、財政再建に本気な党は?[2014衆院選]
12月14日に投開票される衆院選に向け、各党の公約を下記4つの観点から比較する。重点的に扱っている部分、具体的に記されている部分を端的にまとめた。
1.経済成長戦略
2.財政再建(社会保障、消費税など税制)
3.外交・安全保障
4.その他重点政策
維新、自民、次世代が規制緩和中心の経済成長を約し、民主、生活が家計収入の増大を唱える。支出削減による財政再建は、具体的に示しているのが維新のみ、という状況。
◆自民党:「アベノミクス推進」
1.経済成長戦略
アベノミクス推進。特に成長戦略として、法人税減税、農協/医療/雇用改革などを重視。
2.財政再建
消費税増税は延期し、軽減税率を導入。
レビューシートの導入により、行政事業のムダ撲滅
3.外交・安全保障
積極的平和外交。日米同盟強化。中韓ロとの関係改善。集団的自衛権行使容認の閣議決定に基づく、安全保障法制の速やかな整備。
4.その他重点政策
地方創生、女性活躍を強調。
◆公明党:「軽減税率導入」
1.経済成長戦略
家計支援。中小企業支援。地方創生。成長戦略。
2.財政再建
消費増税時の軽減税率導入を強調。
財政見える化の推進。
3.外交・安全保障
平和外交。日中、日韓関係改善。TPP、資源外交の推進。
4.その他重点政策
防災・減災対策。政治・行財政改革(18歳選挙権など)。
◆民主党:「中間層復活・3本柱」
1.経済成長戦略
中間層復活:柔軟な金融政策、人への投資(育児、雇用、高齢者)、成長戦略(グリーン、ライフ、農林水産業、中小企業)。
2.財政再建
医療・介護体制拡充。最低保障年金の創設。結婚・出産・育児支援。農業者戸別所得補償制度の法制化。消費増税延期。
議員定数削減。公務員人件費2割減。
3.外交・安全保障
集団的自衛権行使容認閣議決定の撤回。特定秘密保護法施行を延期。TPP脱退も辞さない。
4.その他重点政策
一票の格差是正。少人数学級拡充。2030年代原発ゼロ。
◆維新の党:「規制緩和・競争政策徹底」「議員定数・公務員人件費削減」
1.経済成長戦略
競争政策徹底:混合診療解禁、保育バウチャー、農協改革、周波数オークション、IR推進、自然エネ立国など
2.財政再建
高齢者向け給付の適正化。公的年金は積み立て方式へ。軽減税率反対、給付付き税額控除の実現へ。
国会議員歳費と議員定数を3割削減/公務員総人件費を2割削減。歳入庁設置。
3.外交・安全保障
日米同盟深化。現行憲法下で可能な「自衛権」を行使。自由貿易構想推進。
4.その他重点政策
企業献金禁止、世襲制限。改憲:首相公選制導入、道州制導入、一院制国会。
◆次世代の党:「自主憲法制定」
1.経済成長戦略
規制打破(農業、医療福祉、エネルギー)。200兆円の日銀基金創設(技術・資源開発)。
2.財政再建
公的年金は積み立て方式に。移転支出の削減。年金目的で資産課税創設。消費増税延期。
3.外交・安全保障
自立外交・防衛力強化。
4.その他重点政策
自主憲法:天皇は象徴的元首、自衛権および自衛隊(国防軍)に関する規定を新設。愛国心を育む教育。
◆共産党:「安倍政権の暴走ストップ」
1.経済成長戦略
格差改善を経済成長につなげる。大企業の内部留保活用で賃上げ・安定雇用を実現→消費活性化→安定経済成長(編集部12日追記)
2.財政再建
社会保障削減ストップ。大企業優遇税制改革、富裕税創設。消費増税は中止。
3.外交・安全保障
反戦平和。集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回。TPP交渉から撤退。
4.その他重点政策
労働法制の規制緩和反対。企業献金禁止、政党助成金の廃止。即時原発ゼロ。
◆生活の党:「家計収入の増大」
1.経済成長戦略
内需拡大:高校無償化、農業者戸別所得補償制度。地方分権推進。
2.財政再建
介護休業制度の拡充・介護手当。年金制度の一元化。子供の貧困対策。消費増税凍結。
3.外交・安全保障
対等な日米関係。集団的自衛権行使容認の閣議決定に反対。TPP断固反対。
4.その他重点政策
非正規雇用の是正。原発全廃。
◆社民党:「格差是正」
1.経済成長戦略
なし
2.財政再建
社会保障充実。最低賃金引き上げ。消費税5%への引下げ。
3.外交・安全保障
平和憲法を守る。集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回。特定秘密保護法を廃止。TPP反対。
4.その他重点政策
脱原発。
◆新党改革:「アベノミクス強化」
1.経済成長戦略
アベノミクス補強・強化(法人税減税など)
2.財政再建
国民年金、介護保険、医療保険の一体化。消費増税延期。
3.外交・安全保障
平和外交。安全保障法制に賛成。
4.その他重点政策
超・原発社会。
◆幸福実現党:「国防強化」
1.経済成長戦略
規制緩和(農業、医療、保育など)、交通インフラ投資、未来産業投資(宇宙、ロボット、バイオなど)。
2.財政再建
年金支給開始を75歳に引上げ。消費税5%へ引下げ。
3.外交・安全保障
国防強化:防衛軍創設。対中抑止。
4.その他重点政策
改憲:大統領制、政教分離規定見直し