モディ印首相来日迫る 日本の原発輸出推進なるか? 海外メディア注目
インドのモディ首相来日が30日に迫る中、海外メディアは以下のような点を取り上げている。
【インフラ整備支援】
独メディアのドイチェ・ヴェレは、米国IHSのエコノミストであるラジブ・ビスワス氏に対して、包括的なインタビューを行っているが、その中からインフラ整備に関する部分を紹介しよう。
デリーでは既に、国際協力事業団(JICA)の支援による地下鉄プロジェクトが成功裏に進行し人気を博している。このため、バンガロール、チェンナイ、コルカタでも同様の合弁プロジェクトが進められようとしている。デリーのプロジェクトには、三菱商事、住友商事、伊藤忠商事、清水建設が参画した。
デリー・ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)も進行中のJVであり、新幹線の導入が検討されている。この地域にはインド政府がやはり建設を計画している「スマートシティ」が9つある。DMICには、日立やNECが既に参画中だ。
【原発導入】
ロイターは原発導入に関して掘り下げている。
インドは2008年に、軍事目的での核開発プログラムを放棄しないまま核燃料と技術を輸入できるという原子力協力協定をアメリカと結んだ。だが、アメリカからの原発輸入は、事故発生の際には原発メーカーの責任を問う法律がインドに存在するため、頓挫しているという。
インドは同様にして日本との契約も進めてきた。だが日本政府は、インドが核実験を行わず、使用済み核燃料で原子爆弾が作られないようにするための施設への立ち入り検査を、インド政府が認めるべきだと主張してきた。
隣国である中国・パキスタンに対して核の抑止力を持ちたいインドは、日本の抱く懸念を払しょくしようと、この1か月交渉を加速してきた。だが、モディ首相の訪日中に日本からの原発導入契約が締結されるかどうかはまだ分からない。
唯一の被爆国であり、核拡散防止・核武装禁止を国是とする日本から原発を導入するには、モディ首相が個人的に安倍首相に対して日本の懸念を払しょくできるような保証を与える手もあるだろう、とロイターは述べる。
【富豪を同行】
ブルームバーグは、モディ首相の同行者について紹介している。
モディ首相は訪日の同行者として、インドで1番の富豪であるリライアンス・インダストリーズのムケシュ・アンバニ会長、複合企業アダニ・グループの創設者ゴータム・アダニ氏、ソフトウェア会社ウィプロを率いるアジム・プレムジ氏ら、同国を代表する企業家12人を選んだという。
リライアンス・インダストリーズ社の関係者によると、アンバニ会長は代表団の1員として訪日するとのことで、単独での会合スケジュールはまだ入っていないようだ。
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