日本の竹島集会、出席者減少と韓国報道 安倍首相の外交方針が影響との分析も

竹島

 超党派の「日本の領土を守るため行動する議員連盟」、政府関係者、島根県内の団体などは5日、島根県の竹島(韓国名:独島)について、問題解決を図るための集会を開いた。

 集会では、2月22日を「竹島の日」と閣議決定し政府主催の式典を開催することや、国際司法裁判所への提訴など、国際社会に竹島が日本の領土だとアピールすることなどを求める決議を採択した。2月22日は、島根県が条例で「竹島の日」と定めている。

 今回の集会は2年ぶり2回目となる。第1回は2012年4月11日の民主党政権下で開催された。

【日本紙「韓国が不法占拠」、中国紙「歴史的にも韓国の領土」】
 出席した内閣府の後藤田正純副大臣(領土問題担当)は、「竹島はわが国固有の領土であり、問題を冷静かつ平和的に解決するため全力で取り組む」(NHK)と述べたという。さらに同氏は、「竹島は歴史的事実に照らしても、国際法上もわが国固有の領土であり、問題の解決は、わが国の主権に関わる極めて重要な課題だ。領土・領海・領空を断固として守るという決意の下、問題を国際法にのっとり冷静かつ平和的に解決するため全力で取り組む」(NHK)と決意を述べた。

 韓国は、1954年から国境警備隊を常駐させ、島を実効支配している。産経新聞は現状について、韓国が不法占拠を続けている、と報じている。

 韓国外交部は5日、集会が開かれたことに対し、「独島に対する根拠のない主張を直ちに中断しなければ、周辺国の不信が深まり、韓日関係改善の道が遠のく」という論評を発表した。中国国営新華社通信も、竹島は韓国占領の第一の犠牲となった島、という韓国外交部の見解を取り上げている。

【安倍首相の積極的な姿勢が不満を和らげる結果に】
 2年前の第1回目の集会には、超党派の議員49人や政府代表の山口壮外務省副大臣(当時)ら約800人が出席した。しかし、今回は空席が目立ち、議員の参加は32人、全出席者は主催者側の予想(450人)を下回る380人だった(朝鮮日報)という。
 
 韓国の朝鮮日報は、出席者数の激減を「安倍晋三政権が展開している独島外交の反作用だ」としている。早稲田大学の李鍾元(リー・ジョンウォン)教授(国際政治学)は「12年当時は、日本の保守層の間で民主党政権の消極的な独島外交に対し不満が多かった。だが最近、安倍首相が独島領有権の主張を大幅に強化し、保守世論を満足させているため、こうした人々の関心が分散されているのだろう」(朝鮮日報)と分析した。

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Text by NewSphere 編集部