日本のカジノ法案、年内成立なるか? 米大手サンズ創業者が期待 長期戦になるとの海外報道も

 日本でもラスベガスのようなカジノを解禁しようという動きがあり、既に法案も国会に提出されているが、今国会での成立は無理だろうと海外各紙は見ている。

【カジノの市場規模・経済効果】
 日本は世界でもカジノが未発達の国の1つ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(以下、ウォール紙)によれば、カジノリゾートは低迷する日本の観光業界に火をつける手段と考えられている。シンガポールでは、2010年に2ヶ所のリゾートを開設してから観光客数が約6割増加したという。

 証券大手のCLSAは、日本のカジノ産業の潜在規模を、年間約400億ドル(4兆円)と試算している。昨年65億ドルのカジノ収入を生み出したラスベガス・ストリップ(ラスベガス大通りのカジノ地区)の6倍以上の規模である。

【解禁の見込みは】
 ウォール紙は、カジノ解禁法案が国会における今週の議事日程にも載っておらず、30日も原子力問題調査特別委員会の審議が優先される予定である、と報じる。

 カジノ推進派は、当該法案は審議・採決さえ行われれば成立する見込みが高いとみていた。しかし、この数週間の間に、長期戦になるとの見方が推進派の間でも広がった、と同紙はみている。

【安倍首相、シンガポールでカジノ視察へ】
 米カジノ運営大手ラスベガス・サンズの創業者シェルドン・アデルソン氏は28日、ニューヨークでの投資家会議で、今国会会期末(6月22日)までのカジノ解禁法案通過は難しいかもしれないと指摘した(ブルームバーグ)。さらに同氏は、次期国会で再び取り上げられれば、9-12月の可決が可能となるだろう、との見通しを示したという。

 安倍首相は、30日に、シンガポールにあるアデルソン氏配下の「マリーナ・ベイ・サンズ」リゾートを視察する予定である。同氏はこの時、首相にカジノ解禁を推進するよう求めるとみられる。

【コナミが事業化】
 また、アミューズメント機器やゲームソフトの製造、スポーツクラブの運営などを手掛けるコナミは28日、4兆円規模と見込まれるカジノ合法化をにらみ、カジノ運営会社に出資するための子会社を設立すると発表した。

 コナミは海外でスロットマシン等のカジノ用機器を製造・販売している。同社の山口憲明取締役相談役は、「マシン製造業者としてのネットワークを生かし、(ノウハウを持つ海外の運営会社と日本企業との)コンソーシアムに出資する意向だ」とロイターに語った。

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Text by NewSphere 編集部