中国紙“モディ次期印首相は安倍ではなく、ニクソン”と主張 中国企業のインド進出に期待か
【安倍首相とモディ氏の類似点】
インディア・トゥデイ紙は、モディ次期印首相と安倍首相の顕著な類似点を挙げている。
安倍首相は2012年の就任時、6年間の政治的混乱の後、日本を再び競争力のある自信に満ちた国にしようと決意を明かした、と同紙は報じている。モディ氏が頭角を現したのも、インドの国民が、数年間の政治の行き詰まりの後、国の成長と発展を強く望んだ結果だという。また、国の発展のため国内消費を押し上げるなどの構想も似ていると指摘している。
印民間シンクタンク「政策研究センター」のブラーマ・チェラニー氏は、「63歳のモディ氏は、安倍首相の、温和な国家主義、市場志向経済、新しいアジア主義が、戦略的関係の網をアジアの民主主義国家に張り巡らせる国家間の親密な関係を図ろうとするもの、とみているようだ」(インディア・トゥデイ紙)と推測している。
同紙は、最近急接近している安倍首相とモディ氏との関係は、世界の力関係の図を変えることになるかもしれない、西欧から離れた新しい先進的な勢力となる可能性もある、と期待している。
【中国メディア、「モディ氏はインド版ニクソンだ」】
一方、インドのザ・ヒンドゥー紙によると、中国メディアは、西欧メディアが「モディ氏はインド版安倍首相だ」と評していることに異議を唱えているようだ。上海国際問題研究院の刘宗义氏は、「実際、モディ氏は選挙運動で、インドと中国の国境問題について(日本のように)強硬な姿勢を示した。しかし、安倍首相ほど激しい言動ではない。インドの経済にとって利益を生むものではないと理解しているからだろう」(ザ・ヒンドゥー紙)と論じている。
さらに同氏は、「新しい首相は、インドのインフラと生産を向上させ、中国の企業に無数の機会を創出するだろう。右寄りの政策を進めることで、モディ氏は、中国との関係をより深めるインド版ニクソンとなるのではないか」とみている。
なおニクソン氏は1972年2月、米大統領として、第二次世界大戦後初めて中国を訪問した。事実上の承認となり、その後の国交樹立への道を開いた。
インド・アズ・ナンバーワン 中国を超えるパワーの源泉(榊原英資) [amazon]