維新の会、初外遊は中国? 中国メディアがねらいを分析

 日本維新の会(以下、維新の会)が新たに国際局を発足させ、その最初の訪問先に中国を計画している。維新の会国会対策委員長で元環境相の小沢鋭仁議員を団長に、坂口直人国際局長、重徳和彦衆参両議院ら6名が、9月11日~14日北京を訪れる。現在、元駐日大使の王毅(ワン・イー)外相との会談を調整中であるという。

 日中関係が冷え込み、日中首脳会談のめども立たない中、今回の訪中に対する中国側の反応は冷淡だ。

【中国メディアの反応は】
 環球時報(人民日報の国際版)は、昨年の維新の会の石原共同代表による尖閣諸島買取り騒動が、現在の日中関係悪化の原因の一つだと強調。今回の訪中は、同党が日中関係改善のための歩み寄りの姿勢を見せ、またそれにより党のイメージアップを図る目的があるのではないかと報じている。

 また、日本側の報道では対談相手を王毅外相としているが、中国メディアでは“要人”という表現に留まっており、具体的な人物の名は挙げられていない。

【厳しいネット世論】
 この報道に対し、環球時報のネット版である「環球網国際新聞」の記事には、下記のようなコメントが寄せられた。

・維新の会のメンバーを入国させることは、石原の尖閣諸島買取りを正当化する行為だ
・党首は石原と橋本。維新の会は入国禁止にするべきだ
・過去の歴史問題を認めず、さらに平和的憲法を改正しようとしている右翼政党と、なぜ交流する必要があるのか

 こうした意見の中には、共産党側の会談相手が誰なのかを疑問視する声も挙がっており、あるいは王毅外相が批判の槍玉に上がるのを避けるため、意図的に名前が伏せている可能性も考えられる。

【前回の訪中】
 実は、維新の会の所属議員による訪中は、今回が初めてではない。8月11日~14日に、同党を含む自民、公明、みんなの党、4党から選出された9名の若手国会議員が、北京と天津を訪れている。

 だが、超党派ということもあり、維新の会の所属議員が訪中したことを、中国網などの中国主要メディアは大きく取り上げていなかった。それだけに、今回、同党の国際局が最初の外遊先に中国を選んだことが、大きな関心を呼んでいると思われる。

【見解の相違】
 前回の訪中について、公明党の公式サイトに掲載された遠山清彦議員による報告書では、領土問題に関して「双方の意見は平行線をたどったが、平和的解決を望むという点で意見は一致した」と、一定の成果が得られた旨が書かれており、また「会談に際して、中国側は歓迎してくれ友好的だった」とある。

 しかし、当時の中国側の報道(連合早報など)を見てみると、大筋の内容は一致するものの、「日本側は対話の重要性を強調しているが、行動が伴っていない」とある。

 さらに、会談相手の中国共産党中央対外連絡部の楊燕怡(ヤン・ヤンイー)部長助理は、日本の対中政策を指し「善意よりも敵意を感じる。日本の指導者たちの発言は、過去の侵略史を許すものであり、中国国民の心を傷付けている」と発言しており、この内容は遠山議員の報告書にあるような「友好的」という表現とは隔たりがある。

 今回の訪中で、どこまで「友好的」な話し合いがなされるかが注目される。

Text by NewSphere 編集部