中国船の動きが活発化 米将軍は東シナ海の摩擦を危惧
7月30日、尖閣諸島周辺の接続水域で、中国海警局の船4隻が航行しているのが海上保安庁の巡視船により確認された。中国海警局の船が同地域で確認されたのはこれで14日連続のこととなった。
また同時期、中国海警局の航空機が初めて、沖縄や宮古島周辺エリアに飛来しているとニューヨーク・タイムズ紙が報じている。
一般の中国船は軽武装だが、尖閣諸島周辺の中国船は、厳重に武装されていることも報じられている。尖閣諸島に関し、挑発して日本に妥協を強いるねらいとみられている。
【中国の軍事再編】
中国では、海事における体制の再編が3月に発表された。7月には国家海洋局が再編され、海上での取り締まり強化などを目的とした「中国海警局」が発足した。複数の組織を統合・効率化する目的で、米国、日本、韓国の海上保安部隊にならったとみられている。
この再編について、専門家からは、責任の所在が明確になったと評価する声もあるとニューヨーク・タイムズ紙が報じた。以前は、東シナ海で攻撃的な行動をとっていた中国船の所管機関が複数あった。
【アメリカの判断と動きは】
アメリカ当局は、中国の海事における戦力増強の動きを注視している。アメリカは、現在中国と領土問題などをめぐって対立している日本、韓国、フィリピンといった国々と同盟関係にあるためだ。
これに関して、アメリカのハーバート・カーライル空軍大将は、中国の動きが引き金となって、大事になる可能性を危惧しているとロイターが伝えている。同氏は、(中国の)緊張を高める動きが意図しない結果をもたらしうるとして、アメリカが条約により争いに巻き込まれる可能性があると懸念している。