「右傾化批判」ばかりの中国報道に変化?

 安倍氏の首相就任以来、さかんに「右傾化」を批判してきた中国メディアだが、今回の選挙を踏まえてどのように報道しているのか。

【安倍氏の持つ3つの顔】
 中国の英字新聞であるチャイナデイリー紙は、日本の政治史、外交史を専門とする歴史学者であり、政府との結びつきの深い、国際大学学長の北岡氏の「安倍氏分析」を紹介している。
 同氏は、安倍氏には「「タカ派としての顔」「現実主義者としての顔」「経済改革者としての顔」という3つの顔がある」と分析し、当面はこの3つ目の顔を見せ続けるだろうと述べている。
 8月15日の終戦記念日の靖国参拝についても、「行きたい気持ちは山々だが、自粛するのではないか」としている。

 ただし同氏は、安倍氏には「予測できないところがある」と別の可能性もあることを示唆した。
 同氏は、2006年の第一次安倍内閣発足時、韓国・中国との関係強化を重視したことを意外だったと挙げている。安倍氏は、元A級戦犯の容疑者にして首相である岸信介氏の孫というルーツを持ち、軍隊を保有し自衛権を当たり前に行使できる「普通の国」を目指す、憲法改正を悲願とするタカ派のナショナリストであることを隠そうとはしていなかったためだ。
 一方現在は、中国に対して強硬姿勢を貫いていると同紙は報道。その傾向は、選挙戦後半に石垣島を訪れ、「わが国の領土・領海・領空を断固として守り抜いていく決意だ」と述べたことにも表れているという。

 総じて、安倍氏の「ナショナリスト」批判を相変わらず繰り返しつつも、、「現実主義」や「経済改革への姿勢」を紹介している点が興味深いといえる。

Text by NewSphere 編集部