【外交編】海外紙が報じる衆院選の影響

 16日実施の衆議院選挙は、大方の予測どおり自民圧勝に終わった。自民党の獲得議席数は、絶対安定多数の269議席を上回る294議席となった。さらに、連立パートナーである公明党が獲得した31議席を加えると、325議席となる。この数は、衆議院定数の3分の2を超えるため、ねじれが生じている参議院で否決された法案を再可決できることを意味する。
 一方、政権与党の民主党は、57議席の惨敗に終わった。日本維新の会は、公示前の11議席から躍進し、民主に肉薄する54議席を獲得した。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、54議席を得た日本維新の会が、第三極を形成する他小党に比較すると明確な勝利を飾ったと伝えた。ただし同紙は、国政に復帰することになった石原前東京都知事が、さらに国家主義的な政策に邁進するとも懸念している。中国との領土問題についても、日本維新の会が自民党に対して、その公約である対中国強硬路線を守るよう圧力を強めていく、とするテンプル大学日本校の研究者の意見を掲載している。これによると、石原氏が何をするか予測がつかない人物であり、外交において新たな火種になりかねいという。また、石原氏が日本人全体を代表しているわけではないにもかかわらず、韓国・中国からそのように解釈される危険性があるとしている。

 一方、グローバル・タイムズ紙(中国)は、安倍氏の外交について比較的楽観的な見方のようだ。同紙は、安倍氏をタカ派と位置づけてはいるものの、実利主義の同氏は、低迷する経済を考慮に入れ、中国との冷えきった関係を改善する公算が強いという見方を紹介している。

Text by NewSphere 編集部