音楽CDが売れるのは日本だけ? ストリーミング全盛の世界に逆行

 世界各国で音楽CDの売上が減少している一方、日本ではCDの売上が増加している。日本レコード協会によると、2012年の音楽ソフト(CD・DVDなど)の売上は約3108億円で、前年比110%だった。

 世界音楽売上トップ3ヶ国のうち、日本の音楽ソフトの売上比率は80%で、英国(49%)、米国(34%)に比べ、極めて高かった。

 一方、日本の有料配信の売上は17%と低く、多くの国では増加傾向にあるのに対し、前年比75%と減少している。

 世界各国で、CDから有料配信へと流れが変わる中、日本だけが依然として音楽ソフトの売上が高いことにCNNMoneyは注目している。

【文化の影響?】
 日本レコード協会の役員は、日本の音楽ファンは、音楽だけが目的ではなく、ライナーノートやディスクジャケット、非売品などの「おまけ」を求めているのではとコメントしている。

 例えば、一部のアイドルグループのCDには、メンバーとの「握手券」が封入されており、1人で複数枚も購入する熱狂的ファンがいると同サイトは伝えている。ABCニュースは、このグループのライブ後に行われた握手会を取材。CDを買って、握手し、直接話して、応援の気持ちを伝えたいというファンの声を報じている。

 また、タワーレコード渋谷店のマネージャーによると、30代後半以上の年代は、若いころに慣れ親しんだCDを購入する傾向があるようだ。同氏は、音楽ファンがCDを見捨てることはないと考えている。

 ただ、業界関係者によれば、2013年の音楽ソフトの売り上げは芳しくないという。一方有料配信市場は、ストリーミング配信サービス「スポティファイ」の上陸が追い風になるかもしれない、という見解を示している。

【海外の反応は?】
 CNNの記事には、海外の音楽ファンから様々なコメントが寄せられている。「なんだかんだで僕もジャケット購入してるよ」という共感の声や、「レコード盤持ってるんだけど捨てられない・・・」と昔の音楽メディアを懐かしむ声もあった。

 一方、日本で有料配信が普及しない理由を、「現金社会で、クレジットカードを持っている人が少ないからだ」と自論を展開する投稿者もいた。

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Text by NewSphere 編集部