「日本でフルタイム忍者になれるぞ!」 愛知の観光PR求人が海外で大反響 既にPR大成功?
近年、アメリカやイギリスなどで、忍者の格好をして街中をパトロールしていた男が逮捕されるというニュースが複数報道され、そのたびに日本でも話題となっていた。なんでも、世界各国には沢山の忍者教室が存在し、多くの忍者ファンが“お稽古”に通っているのだという。
ほとんどの生徒は社会に迷惑をかけることなく真面目に暮らしているが、逮捕された“忍者”達のように、実生活ではなかなか修行の成果を発揮する機会に恵まれず、力を持て余し気味の人も少なからずいるようだ。
しかし、そんな世界中の眠れる“忍者”達についに朗報が届いた。愛知県は、今月8日から22日にかけて、観光PR大使として6名の忍者を募集。公式ウェブサイトでは、「忍ばないスターな忍者探します」というキャッチコピーで、同県の大村秀章知事自ら金色の忍び装束に身を包み、忍者のポーズをとってメンバーを募集した。
◆2020年東京五輪に向けて観光を強化していると報道
月給18万円で本物の忍者になれるということで、海外メディアでも、いやむしろ海外メディアの方が大きく注目した。米CNNは、今回の求人について「実は2020年東京五輪に向けての観光振興対策の一環だ」と報じた。英BBCは「愛知県はおそらく、隣の三重県にある伊賀流忍者博物館の成功例を参考にしたのではないか」と分析。“忍者の本場”三重県伊賀市にある伊賀流忍者博物館では、ここ数年外国人観光客の数が急増している。
海外メディアの多くの記事で「FULL-TIME NINJA(フルタイムの忍者募集)」の見出しが躍り、応募方法や具体的な勤務条件について丁寧に説明されていることから、本気で応募しそうな人が各国に多数存在していることがうかがえる。
ちなみに、今回紹介するのは英語圏のみだが、フランス語やポルトガル語、スペイン語でもこの求人に関する記事が見つかった。
◆忍者の訓練は無駄ではなかった……!
米ニュースサイト『Inquisitr』では、記事の冒頭で「幼い頃、忍者の動きをガレージの中で練習していたら、ママに『そんなことしたって、将来本物の忍者にはなれないのよ』と言われたのを思い出して欲しい。ママは間違っていたようだ」とユーモアを交えながらこのニュースを紹介した。
そして、「アクロバットのスキルがあること」「月収は1,600米ドルくらい」など具体的な条件を説明。最後に「この動画の彼はきっと既に応募しているだろう」と、華麗な手つきでヌンチャクを振り回す黒ずくめの男性の動画を掲載して締めくくった。
動画のタイトルは、「Ultimate Ninja(究極の忍者)」。忍者はヌンチャクを使わないのでは……?そんな疑問がふと沸いてきたが、何より大事なのは忍者に対する情熱だ。英BBCの記事でも、「舞台でのパフォーマンスは英語で行われることもあるため、日本語のスキルは好ましいが必須ではない」、「しかし、日本の歴史と観光への情熱は必要だ」と説明している。
単なる観光PR大使募集だったら、ここまで世界的に話題になることはなかっただろう。「忍者」を使っただけで、募集段階でもこれほどまでに注目されるとは、今回の愛知県の作戦は大成功なのではないだろうか。もし、海外からの応募者が晴れて合格したら、愛知県と日本を応募者自身の国に向けても効果的にアピールすることができ、応募者自身にとっても愛知県にとってもWin-Winな結果となりそうだ。