飲食店で喫煙できる先進国は日本だけ? 東京都、五輪前に「禁煙条例」制定へ
2020年東京五輪の開催前に、東京都の飲食店などが全面禁煙化される「禁煙条例」制定の可能性が高まっている。
東京都の舛添要一知事は、22日の記者会見で、五輪は「スポーツの祭典であり、全世界の人々の健康の増進も大きな目標の一つ」と指摘。「2020年を前に、本格的に受動喫煙による害を防ぐことが大事だ」と語った。
国際オリンピック委員会(IOC)は1988年に禁煙方針を採択。会場の禁煙化をすすめ、たばこ産業のスポンサーシップを拒否してきた。「禁煙条例」は2020年東京オリンピックの遺産となる、と『Inside The Games』は指摘する。
【受動喫煙による死亡者数は年間6800人】
日本は人口の20%以上が喫煙者であり、世界有数のたばこ市場である、と『Inside The Games』は伝えている。国立がん研究センターなどが2010年に公表したデータでは、日本における受動喫煙による死亡者数は年間約6800人に上る。
東京都は、11年10月に受動喫煙防止ガイドラインを施行し、レストランなど公共の場所における原則禁煙の方針を定めているが、罰則はない。
先進国である日本のレストランで喫煙が許されていることに驚く海外の声は少なくない。財務省と日本たばこ産業(JT)の関係が背景にある、とブルームバーグは指摘する。
【財務省がJTの大株主】
JTは、特別法「日本たばこ産業株式会社法」による特殊会社で、全株式のうち3分の1以上の株は日本国政府(財務省)が保有しなければならないと規定されている。
元財務官僚で嘉悦大経済学部の高橋洋一教授は、「財務省はJT株を保有することで天下り先を確保している」と語った、とブルームバーグは報道している。なお、JTの現会長は丹呉泰健元財務事務次官である。
【肩身の狭い喫煙者、喫煙権はどうなる】
公共の場での禁煙がすすむ中、喫煙者の喫煙権はどうなるのか、との声もある。韓国の『中央日報』の8月22日付の記事によると、喫煙者も快適にタバコを楽しめる最小限の環境を許容する寛容さえもない社会は砂漠のような寂しい社会である。
しかし、どんな権利や自由も、他人の権利や自由を侵害するものであってはならない。受動喫煙の有害性が明らかになる中、他人の生命・身体・健康を侵害することになる喫煙は制限される必要がある。
今月から、日本マクドナルドは全国3135の店舗を禁煙にする。オリンピック前に、公共の場所における全面禁煙は多数の支持を集めるだろう、と『Inside The Game』 は指摘している。ジョンソン・エンド・ジョンソンが4月に全国の屋内労働者8,000人を対象に実施した調査によると、東京の受動喫煙防止条例制定に63%が賛成と回答している。
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