「FF14」同性婚機能を搭載へ…任天堂の二の舞防ぐ?慎重だったスクエニ、決断の理由

 米ロサンゼルスで6月に開催された世界最大のゲームイベント「Electronic Entertainment Expo (E3) 2014」で、「ファイナルファンタジーⅩⅣ 新生エオルゼア」に同性婚が含まれることが明らかになった。海外で話題を呼んでいる。

【種族、性別を超えた愛の儀式】
 『Kotaku』によると、FF14ディレクターでプロデューサーの吉田直樹氏が、次回パッチからゲームに同性婚システムが含まれることを話した。

 「(架空の世界)エオルゼアの中で、2人のプレイヤーが愛を誓い合うという儀式を開発していて、種族、性別を超えて愛を誓い合うことができるようになる」、という。話し合いの結果、エオルゼアの世界で愛を誓い合うのに性別や種族は関係ないという結論に至った、と話した。また、愛や友情を誓い合った2人だけが乗れる専用のマウントなども考案中だ。

 2010年9月最初にリリースされた際に批判を受け、開発者は数回に渡りゲームを改良、リニューアルしてきた、と『Gay Star News』は報じている。批判の大きな要因として同性婚が含まれていないことが上げられており、今回の結論に至ったと見ている。

【ゲーム内での同性婚】
 『Metro Weekly』は、日本から欧米市場に入ってきた任天堂のゲームソフト、「トモダチコレクション」には同性婚が含まれておらず、広く批判を受けている、と報じた。一方で、スクエアエニックスの吉田氏は、同性婚を含むという結論を出すのは容易だったと振り返る。

 スクエアエニックスは2012年、異性間や異種族間での結婚は含む一方で、同性間の結婚はすぐには決定できないとした。同社は、「議論を呼ぶ話題で、プレイヤーからのフィードバックを見ながら慎重に決めていきたい」、と述べていた。今回の結論で、多くのプレイヤーが同性婚を含むことを希望または賛成していることがわかった。

【海外の反応は】
 『Kotaku』には、同性婚をゲームに含むことへの賛否両論のコメントが寄せられている。

・自然に同性婚が含まれるのではなく、含んだことがこんなに話題になることにうんざりしている。日本は保守的で同性婚に対して抵抗があるのだから、一部の反対意見に合わせて文化的規範を変えることはない。

・保守的という建て前の偏見だ。

・偏見ではないと思う。開発者が統計的な観点から出した結論。日本人は同性婚に反対なのではなく、考えてみることがあまりないのだろう。

・あらゆる形の結婚に賛成だが、同性婚を含まないことは偏見ではない。政治的正しさが社会的同化になってしまっている。

・アメリカのユーザーに売ろうとしているゲームなのだから、アメリカの文化的価値観に合わせるのは当然。

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Text by NewSphere 編集部