日本44年ぶり旅行黒字 アジア各国からの旅行者増に“アジア経済変革の証”と海外報じる

 4月、外国人旅行者が日本で使った金額が、44年ぶりに日本人旅行者が海外で使った金額を177億円上回り「旅行黒字」の状態になっていたことがわかった(黒字額は過去最高)。昨年の4月は224億円の赤字だった。訪日観光客数は123万1500人で前年同月比33.4%増、これも日本からの海外旅行者数を上回った。

 景気回復基調が謳われる一方、消費税増税後の需要減退や、円安でもパッとしない輸出が懸念される中で、各紙は「旅行が日本経済の回復サポートに貢献している」「小売・観光産業の日本企業にとっては縁起がいい」などと報じている。

【アジアから手が届くようになった日本】
 フィナンシャル・タイムズ紙は、旅行黒字の要因として2012年からの円安を挙げた。訪日観光客はアジアからが圧倒的で、かつては日本旅行は高嶺の花であったものがアジアの中産階級にも手が届くようになった、「アジア経済の変革の証」なのだという。それを円安が後押ししているというわけだ。44年前は大阪万博があり、また為替は1ドル360円の安さで固定されていた。なお同紙は、アポロ宇宙船の月旅行の頃とも表現している。

 同紙によると、2月からの観光客数の最新データでは、タイからの観光客が昨年同月比ほぼ倍増、インドネシア、フィリピン、ベトナムも50~60%増、尖閣問題などで関係悪化があったはずの中国が140%増となっている。政府は2020年オリンピックを視野に、同年までに訪日観光客数を2000万人に倍増する目標を立て、アジア各国からの短期訪問ビザ要件を緩和していた。

 ただし観光客数の逆転には、4月の邦人出国者数が昨年同月比4.4%減の119万人となったことも関係している。日経によるとこれも、円安が日本からの海外旅行には逆に不利に働いたためだという。

【外国人好みのWi-Fi環境整備】
 またソーシャルメディアニュースサイトのマッシャブルは、日本はハイテク先進国のくせに街中に無料Wi-Fi(無線LAN)アクセスポイントが少ないのが、外国人旅行者の不満の種であったと書いている。YouTubeの日本旅行関連動画は、そうした不満のコメントにあふれているという。

 その改善のため、政府監督のもと、NTTが2014年9月まで試験的に支援プログラムを実施する。これは入国時にWi-Fiカードを登録することで、東日本各地4万5000ヶ所のホットスポットを利用可能になるというものだ。また、そうしたポイントをストリートビュー形式で案内するスマホアプリも配信される。

 マッシャブルはこれを「大ニュース」と歓迎した。そして入国後の有効期間は14日間だが、これでは「やっと無料アクセスに慣れてくる頃だろう」「日本で長期滞在を計画する人にとって真に有用となるほど十分な長さではない」と惜しんでいる。

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Text by NewSphere 編集部